メジャー19年目のシーズンに臨むマリナーズの45歳・イチロー

多くのマリナーズファンや球界関係者は「イチローが日本での開幕シリーズ2試合のあともメジャーでプレイできるのか」ということに注目している。それに対し、イチローは「45歳の野球選手は未来について考えるべきではないと思う」と語り、目の前の1日1日を大切に過ごしていく姿勢を明確にした。春季キャンプ前の身体検査においてチーム内最低となる体脂肪率7%を記録した45歳の大ベテランは、「少なくとも50歳まで現役」という目標に向けて、メジャー19年目をスタートした。

現在のイチローは、日本時間3月20~21日に東京ドームで行われるアスレチックスとの開幕2連戦に照準を合わせてトレーニングを行っている。ジェリー・ディポートGMは、イチローが春季キャンプにおいて自身が健康であることを証明できれば日本での出場機会を与える方針であることを明言しており、大きな故障がなければイチローが東京ドームのグラウンドに立つ可能性は高い。

しかし、それ以降については不透明だ。イチローはチーム全体による初めての練習のあと、「今日の練習については満足している。これを毎日繰り返していくだけだ」と語り、およそ1ヶ月後に迫る日本での開幕シリーズには言及しなかった。45歳という年齢やマイナー契約という自身の立場を考えると、メジャーでのプレイ機会は決して保証されたものではなく、まずは目の前の1日1日に全力で取り組んでいくということなのだろう。

スコット・サービス監督はイチローより6歳年上の51歳。45歳のイチローがロースター争いに加わっていることについて「信じられないことだよ」と語る。「彼は誰よりも真剣に練習に取り組んでいる。だからこそ、今の年齢になってもプレイを続けられるのだろう。彼はほとんど毎日練習をしているし、それがイチローがイチローである理由なんだ。若手選手にとって素晴らしい見本だよ」と絶賛した。

一般的に「ベテラン」の域に差し掛かったと見られる31歳のジェイ・ブルースの打撃練習を見ながら「彼は14歳も年下だ。ショックだよ」と語ったイチロー。しかし、45歳となった今も、すぐにユニフォームを脱ぐつもりはない。「今も目標は50歳までプレイすることなのか」と尋ねられたイチローは、「少なくとも(50歳まで)、だよ」と笑顔で語り、メディアの前から去っていった。

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