熊本県「放課後児童クラブ」を拡充 保護者歓迎、残る課題 施設、支援員の確保不可欠

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秋津小の児童育成クラブに通う児童と、迎えに来た保護者=12日、熊本市東区

 熊本県は新年度から、小学校の授業終了後に子どもを預かる「放課後児童クラブ」の体制を拡充する。保護者からは歓迎する声が上がる一方で、特に熊本市では増加するニーズに対し、手狭な施設や支援員確保などの課題も残る。

 拡充策は、対象を小学6年生まで拡大し、受け入れ時間を午後7時まで延長するのが柱。同市東区の秋津小のクラブに3年生の長女を預ける境田晶子さん(50)=同区=は「素晴らしい施策。ぜひ全ての自治体に広がってほしい」と評価する。

 同小のクラブは市が直営する「公営クラブ」(80カ所)。他のクラブと同様に対象は1~3年生で、放課後から午後6時まで受け入れている。

 境田さんらは昨年11月、(1)午後6時半までの開設時間の延長(2)6年生までの受け入れ拡大-を市教委に要望。「現行のクラブ体制では働くことが難しい」と実情を訴えた。

 要望に対し、市教委は「困難な状況」などと回答。背景には、クラブを利用する児童が年々増加し、施設が手狭になってきている事情もある。

 市教委青少年教育課によると、市の公営クラブの利用児童は2013年4月末の4689人から、18年同の5978人に5年間で3割弱増加した。条件を満たす子どもは全員受け入れており、待機児童はいないという。

 国は施設面積の目安を「1人当たり1・65平方メートル以上」と示している。ただ80カ所のうち28カ所の施設が、この目安を満たしていない。「施設の増設や教室の活用などスペースの確保が課題」と同課。県の拡充策についても「子どもを預かる支援員の確保も困難な状況で、今後拡充できるかどうか検討中」という。

 一方、保護者が抱える問題は切実だ。境田さんは「娘は熊本地震のトラウマ(心的外傷)で、自宅に1人でいるのを怖がる。4年生になってクラブに入れず、家で留守番させるのは心配」。同じクラブを利用する石原嘉美さん(43)も「子どもの迎えに間に合うよう、職場に無理を言って、早めに仕事を切り上げている。時間の延長はとても助かる」と拡充策に期待する。

 県内108クラブでつくる県学童保育連絡協議会の神田公司会長(63)は「ひとり親家庭も増え、クラブのニーズは高まっている。県は財政支援だけでなく、支援員の育成にも力を入れるべきだ」と注文する。(社会部・臼杵大介)

(2019年2月17日付 熊本日日新聞朝刊掲載)