知事選事務所開き、究極の踏み絵

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今春の福井県知事選への出馬を表明している前副知事の杉本達治氏(右)と、現職の西川一誠氏(左)

 春の福井県知事選を巡り、現職の西川一誠氏(74)と前副知事の杉本達治氏(56)の後援会事務所開きが2月17日、福井市内でそれぞれ行われた。3月21日の告示日を約1カ月後に控え、後援会幹部らから相手を意識した発言が相次ぎ、舌戦がヒートアップした。開始時間がともに午前10時で同時進行だったため、どちらに出席するか、関係者にとっては本気度を見分けられる究極の「踏み絵」の場にもなった。

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 西川氏の後援会事務所開きには、主催者発表で約250人が出席した。自民党が杉本氏の推薦を決めた中、県議会会最大会派自民党新生会の5人が顔を見せた。15日の決起大会に続き、昨年3月に撮影された二階俊博自民幹事長の激励ビデオメッセージが再び紹介された。

 後援会連合会の勝木健俊会長はあいさつで「西川氏は4期15年余り、清廉な県政を行ってきた。特定の人、利権に関係する一握りのための県政に時計の針が逆戻りすることがあってはならない」と語った。企業・団体の推薦状が、16日時点で1231に達したことも明らかにした。

 県経済団体連合会の川田達男会長も「戦いの相手が自民の推薦を得た。しかし、全く恐れることはない。強引にただ知事の権限を手に入れたいだけであり、正義、大義のない県連会長、幹事長の傀儡(かいらい)候補だ」と述べた。さらに「私ども経済界は働く仲間の連合福井や良識ある自民県議、ここにお集まりの皆さんらと一緒に戦う」と力を込めた。

 最後にマイクを握った西川氏は、4年後の北陸新幹線敦賀延伸と、それに続く新大阪までの切れ目のない着工に向け「最後の仕上げをするのが私の責任だ」と強調した。

 杉本氏の後援会事務所開きには主催者発表で約300人が出席した。

 後援会の内田高義会長が「こんなに謙虚で誠実な人はいない。相手のことを第一に考え、上から目線でなくいろいろな人の言葉を大事にする。絶大な支持と協力をお願いしたい」とあいさつした。

 県農政連の北島友嗣会長らの応援あいさつに続き、杉本氏がマイクを握った。「平成からの代替わりの年に50年先、100年先の福井の発展のため、できるだけ長く県政に責任を持てる体制をつくらないといけない。若さと行動力で、新しい風を吹き込めるように全身全霊を傾けていく」と誓った。

 県連の山崎正昭会長をはじめ、県議会第2会派県会自民党の議員や党所属の市町議員が多数顔をそろえた。自民の推薦を得たことで、安倍晋三党総裁の檄文(げきぶん)のほか、党筆頭副幹事長の稲田朋美衆院議員らから祝電が寄せられた。

 最後にあいさつした山崎会長は「新しい時代には新しいリーダーがふさわしい。多くの首長や団体にもおいでいただいたが、この力を一つになんとしても勝利をつかむという気持ちで、これからも頑張っていく。命がけで頑張る」と声を張り上げた。

 両にらみの関係者は難しい判断を迫られた。双方に推薦状を出した自民県連のある職域支部の幹部は欠席した。「ずっと前から、この日は予定が入っていた」とした上で「今となっては、それで欠席の言い訳ができて良かった」と複雑な思いを語った。