浦上の復興はカトリック教徒の力 潜伏信徒の子孫が講演 市民セミナリヨ

 長崎の宗教や文化について考える「市民セミナリヨ」が16日、長崎市平和町の浦上キリシタン資料館であった。1865年、大浦天主堂で浦上の潜伏キリシタンが禁教令の下、守り通してきた信仰を告白した信徒の子孫である森内浩二郎さん(66)=長崎市=が、浦上キリシタンの復活について講演。「迫害と被爆の二つの受難から復興した中心には、カトリック教徒たちの一つにまとまる力があった」と訴えた。
 約50人が参加。森内さんは、「信徒発見」で告白した信徒・てるから数えて5代目の子孫に当たる。父の秀雄さんが、幕末維新期のキリシタン迫害「浦上四番崩れ」をテーマにした映画「信仰の礎」の製作や、終戦から2年後に創刊した浦上カトリック連合青年会の機関紙「荒野」の編集に携わったことなどを紹介。「浦上の先祖から受け継いだものをなくしてはならないという強い気持ちを感じる」と述べた。
 市民セミナリヨは市民団体「アジェンダNOVAながさき」が主催。次回は3月23日、同館で「なぜ枯松神社は世界遺産になれなかったのか?」をテーマに講座を開く。

浦上キリシタンの復活について話す森内さん=長崎市、浦上キリシタン資料館

© 株式会社長崎新聞社