小学生区間 対馬5年ぶり V “島の力” 本番で発揮

 5年前の優勝記録と同タイムで栄冠をつかんだ対馬A。小学生を指導してきた美津島北部小の里津教諭は「ほぼぶっつけ本番のレースで島の力を見せてくれた。子どもたちに感謝しかない」と目を細めた。
 メンバーは「島では負け知らず」(里津教諭)の精鋭ぞろい。南北に長い対馬の各地に住み、学校もばらばらの4人がそろって練習したのは本番前の1回のみだった。それでも、選手たちは「強い子たちと走れる」ことを楽しみに、それぞれ練習に励んできた。
 女子の小田(美津島北部)はスタートから先頭集団の後方につけると、1キロ付近で「力を試したくなって」ギアを上げ、首位に立った。すぐに1人にかわされたが、これで逆に「火がついて」、残り約200メートルで抜き返してトップで男子の川上(久田)につないだ。
 1位のたすきを冷静に受けた川上は周りのハイペースに気づき、いったん下がって力をためると、残り600メートル付近からロングスパート。大きなストライドで前の2人をかわしてゴールテープを切った。
 春から地元の浅海中で陸上を続ける小田は「自信がついた」と笑顔を見せた。一方の川上は島を離れて長崎南山中に進む予定で、陸上と同時に打ち込んできたサッカーに全力を注ぐ。Jリーガーを夢見る12歳は「陸上で鍛えた力をサッカーで発揮して、島のみんなを喜ばせたい」と声を弾ませた。

対馬Aの12区小田(美津島北部、左)から13区川上(久田)へたすきリレー=トランスコスモススタジアム長崎

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