平和賞にふさわしい?

©株式会社長崎新聞社

 トランプ米大統領がノーベル平和賞にふさわしいと、安倍晋三首相が推薦したらしい。トランプ氏が明かした▲首相は国会での質問に対して事実関係を明言しなかったが、北朝鮮の非核化に向けて金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と直接交渉をしてきたことを評価したようだ▲北朝鮮の非核化は核・弾道ミサイルの脅威にさらされる日本にとっては重要な問題。ただし北朝鮮との対話チャンネルが機能していない今の日本ができるのは、交渉力を持つ国に頼ることぐらい。そんな足元を見たのか、米国が日本に推薦を頼んできたらしい▲次の米朝首脳会談は27、28日に予定されている。金氏が昨年6月に「完全非核化」を約束して以来。非核化の道筋がどこまで具体化するかが注目される。だが、北朝鮮で核開発は続いているとされ、核もミサイルも保有したままだ。業績を評価するのは早計ではないだろうか▲トランプ氏に関しては、イラン核合意を離脱したり、中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を通告したりするなど、国際的な平和の枠組みをないがしろにするような振る舞いが続く▲そんなトランプ氏がノーベル平和賞にふさわしいと、首相は本気で思っているのだろうか。そしてトランプ氏を平和賞に推薦した首相に、国際社会はどんな視線を注ぐのだろう。(泉)