「旧グラバー住宅」 展示・活用に工夫を 有識者委が長崎市に提言書

 有識者でつくる「グラバー園保存活用検討委員会」(ブライアン・バークガフニ委員長)などは18日、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「旧グラバー住宅」(長崎市南山手町)の展示・活用の充実などを求める提言書を田上富久市長に提出した。
 旧グラバー住宅は国内に現存する最古の木造洋風建築。市は約50年ぶりに大規模改修を進めており、見学再開は約2年後の予定。
 提言書ではこれに合わせ、住宅内の各部屋の名前が各種資料・研究と合わないものがあるため見直すことや、当時の生活を再現するような展示、デジタルメディアを活用した見せ方などについて工夫を求めた。
 市が、「長崎くんち」関連資料を展示しているグラバー園内の「長崎伝統芸能館」を将来移転させる方針を示していることについても、移転後は市民が利用できるスペースなどとして活用するよう要望した。
 市役所を訪れたバークガフニ委員長は「グラバー園は長崎の宝。訪れる人が歴史を感じ、感動できるようにしたい。考えてほしい」と要望。田上市長は「しっかり検討する。今後もアドバイスしてほしい」などと答えた。

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