銭座防空壕の保存を 市民団体がシンポ 月内に全撤去か 長崎

 長崎の市民団体「銭座防空壕(ごう)群を保存する連絡会」は18日、九州新幹線長崎ルート建設現場の同市天神町で昨年2月に確認された防空壕群に関するシンポジウムを市内で開き、保存の意義を訴えた。
 建設工事発注元の鉄道・運輸機構は今月中に全15カ所を撤去する方針を示しており、18日時点で既に14カ所を撤去したという。
 シンポジウムには約40人が参加。3人が登壇した。被爆者の竹下芙美さん(77)は「若い人たちに戦争や原爆を経験させないために保存運動を頑張らなければ」と強調。被爆者の末永浩さん(83)は日本と同じ敗戦国のドイツが戦争遺構を積極的に残していることを紹介し、防空壕群の保存の意義を訴えた。
 同会共同代表の中村住代さん(72)は、被爆地の長崎市が保存に積極的でないことを批判した上で「防空壕が次々とつぶされているが、残っている限り保存運動を続けていきたい」と語った。

シンポジウムで防空壕群の価値を訴える中村共同代表(右)ら=長崎市桜町、長崎地区労会館

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