ユニバーサルツーリズム推進へ 施設の改善点話し合う

 障害などで体が不自由な人を含め、誰もが旅行を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」について理解を深めるセミナーが15日、長崎市内であった。宿泊業や交通事業の関係者ら約30人が参加し、どのように実践するかについて考えた。
 ユニバーサルツーリズムを推進しようと、県が初めて開いた。参加者はシーボルト記念館(同市鳴滝2丁目)を視察。県庁であったワークショップで「音声ガイドをもっと充実させた方がよい」「施設周辺の道の点字ブロックが途中で途切れていて危ない」といった改善点を発表した。
 講師を務めたJTB総合研究所(東京)の梅原裕子さんは、高齢化や国際化が進む現代だからこそユニバーサルツーリズムに取り組む意義があると説明。取材に対し「例えば、坂道は人によっては障壁になるが、長崎では街の魅力にもなっている。街中の障壁を隠すのではなく、障壁について情報を発信し、旅行者が選択できる状態にすることが大事だ」と述べた。

施設の改善点について話し合う参加者=県庁

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