元F1ドライバーのマーク・ブランデル、英国ツーリングカー選手権に参戦。アウディS3をドライブ

 元F1ドライバーのマーク・ブランデルが2019年シーズンのBTCCイギリス・ツーリングカー選手権参戦を電撃発表。今季から初参戦を果たすトレードプライスカーズ・レーシング(Trade Price Cars Racing)のアウディS3セダンBTCCをドライブすることが決まった。

 現在52歳にして自身初のツーリングカー選手権デビューを決めたブランデルは、AmD Tuning.comが運営するトレードプライスカーズ・レーシングに加入し、ジェイク・ヒルとともにアウディのステアリングを握ることとなる。

 F1時代にはマクラーレンを筆頭に、ティレル、リジェ、ブラバムなどを渡り歩き、複数の表彰台を獲得。その後は北米大陸に主戦場を移して、今はなきCARTシリーズで3勝を挙げるなどシングルシーターのトップカテゴリーで成功を収めてきた。

 またフォーミュラからの引退後もスポーツカー耐久シーンで活躍を演じ、1992年にはデレック・ワーウィック、ヤニック・ダルマスとともにプジョー905 Evo1Bをドライブし、関谷正徳を擁するトヨタ・チーム・トムスのTS010を破って総合優勝を獲得。さらに2003年にはベントレー・スピード8で総合2位に入り、ベントレーのワン・ツー・フィニッシュに貢献している。

 本格的なレースシリーズへの復帰はひさびさとなるブランデルだが、今回の復活劇は彼自身が運営するマネジメント組織“MBパートナーズ”のオーガナイズによるもので、同組織配下にはDTMで成功を収めたゲイリー・パフェットや、WEC世界耐久選手権でトヨタに所属するマイク・コンウェイも所属している。

「これまでは機会に恵まれてこなかったが、BTCCは兼ねてよりチャレンジしてみたいカテゴリーのひとつだった」と、トップツーリングカー電撃参戦をアナウンスしたブランデル。

2003年にはデビッド・ブラバム(左)、ジョニー・ハーバート(右)ら英国人トリオでベントレーをドライブした
今季から新たにTrade Price Cars Racingとして参戦するアウディS3セダンBTCC

「ここまでモータースポーツの世界で素晴らしいキャリアを築いてこれたことも、イギリスのモータースポーツ界の一員でいられたことも、私にとってとても幸運なことだった。そして満を持してのBTCC参戦は、私にとって新たな挑戦になるだろう」

「(BTCCを主宰するTOCA会長の)アラン・ゴウとは何年にもわたってBTCC参戦に向けての相談や会話を続けてきた。そしてこの年齢にしてついに、適切な機会を得ることができた。(チーム代表の)ダン・カービィやショーン・オランビーの成功に向けた熱意にも感銘を受けた。50歳を超えてもコンペティティブであり続けられると証明したいね」

 また、過去4シーズンにわたってシシリー・モータースポーツのオペレーションでメルセデス・ベンツAクラスを走らせてきたLaser Tools Racingは、2019年から車両開発とチーム運営をインハウス化し、段階的に独立系チームとしてBTCCに挑むことを発表。ドライバーには引き続き、チーム所属6年目となるエイデン・モファットとの契約延長をアナウンスした。

「これまでにないぐらい、新しいシーズンを前にワクワクしているよ」と、意気込みを語った若干22歳のモファット。

「僕自身、例年以上に集中的なフィットネスに取り組んできたし、2018年シーズンが終了して以降、マシンにも大掛かりなアップデートが数多く施されている。体制も大きく変更され、チームはスコットランドに建設した新施設に拠点を移したところだ」

「ファクトリーではボディを含めたメンテナンス用のワークショップが完備されていて、僕のメルセデスはこの冬の間にボルト1本まで入念に調べられた上で、再び組み上げられた。マシンのハンドリングも、シーズンの戦い方のハンドリングも、例年以上にうまくやれる自信がある。ニューカラーのお披露目も含めて開幕戦が待ちきれないね」

今季もメルセデス・ベンツAクラスをドライブすることが決まったエイデン・モファット
Laser Tools Racingは新たにスコットランドに新ファクトリーを建設し、独立系チームとしてBTCC挑戦を続ける

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