「時が来た」 ジャイアンツ・ボウチー監督が今季限りで退任へ

ジャイアンツを3度のワールドシリーズ制覇(2010年・2012年・2014年)に導いた名将ブルース・ボウチーが、自身の監督25年目のシーズンとなる今季を最後に退任する意向を明らかにした。パドレスの監督を12年間務め、今季がジャイアンツの監督として13年目のシーズンとなるボウチーは「私の考えでは、(退任する)時が来たんだ。信じられないくらいの監督人生だった。選手たち、街、ファンのみなさんには本当に感謝している」と感謝を口にし、選手たちに対しては日本時間2月19日に行われた今春初の全体練習前のミーティングにて、自身の決断を伝えたようだ。

ボウチーは今年4月に64歳の誕生日を迎える。近年は健康状態に不安を抱えながらのシーズンが続いていたが、「それは退任を決めた理由ではない」と明言。今季限りでの退任については、昨季終了時から熟考を続けていたといい、「これは自分で決めたことだ。先週考え始めたようなことではない。昨季の終わりからずっと話し合いを続けてきた」とファーハン・ザイディが新たに野球部門社長に就任したことによる影響であることも否定した。

指揮官の決断を聞いたブランドン・ベルトは「少しショックを受けたよ。僕がメジャーに昇格してから、彼がずっと監督だったからね。いつかこの日が来るとは思っていたけど、実際に彼の口からそれを聞くと、やっぱり少しショックだった」と悲しげな表情を浮かべたものの、「彼のラストイヤーを素晴らしいものにするために頑張るだけさ」とすぐに気持ちを切り替えていた。

ボウチーの監督通算1926勝は歴代11位に位置する。今季82勝をマークすれば、殿堂入りの名将レオ・ドローチャーと並んで歴代10位に浮上。また、ジャイアンツの監督としての通算975勝は、殿堂入りの名将ジョン・マグロー(2583勝)に次ぐ数字だ。パドレス監督時代の1996年にナ・リーグ最優秀監督賞を受賞し、2年後の1998年にはパドレスを球団史上2度目のリーグ優勝に導いている。

監督通算2000勝まであと74勝。ワールドシリーズ制覇3度の実績を考えると、将来的なアメリカ野球殿堂入りは確実と言えそうだ。

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