レッドソックスの最優先課題はセールとの契約延長

かつてのエース左腕、ジョン・レスター(カブス)との契約延長交渉に失敗して先発ローテーションの柱を失ってしまった過ちを繰り返さないために、レッドソックスの球団フロント陣はエース左腕、クリス・セールとの契約延長交渉がチームの最優先課題であることを明言した。以前、ジョン・ヘンリー筆頭オーナーは30代に突入した投手との長期契約に否定的な姿勢を示していたが、来月30歳の誕生日を迎えるセールは例外と考えているようだ。レッドソックスは今季が契約最終年となるセールとの契約延長交渉を無事に成功させることができるのだろうか。

2014年のスプリング・トレーニングにおいて、契約最終年を迎えていたレスターはレッドソックスへの愛着を示し、市場価格よりも低い金額での契約、いわゆる「ホームタウン・ディスカウント」にも応じる姿勢を見せていた。しかし、レッドソックスは市場価格とかけ離れた4年7000万ドルのオファーを提示。これがレスター側の怒りを買い、レスターはシーズン途中でアスレチックスへ移籍したあと、同年オフにカブスと6年1億5500万ドルの大型契約を結んだ。

レッドソックスはヘンリーが「彼は特別な選手だ」と語るセールとの契約延長交渉において、同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。ヘンリーとトム・ワーナー会長は、レッドソックスがすでにセールと正遊撃手のザンダー・ボガーツとの契約延長交渉を開始していることを認めているが、これは「流出阻止」の強い意志の表れと言っても過言ではないだろう。セール自身もレッドソックスとの契約延長に前向きであることが報じられており、レッドソックスが適切なオファーを提示すれば、セールがフリーエージェント市場に出ていく前に契約延長が実現する可能性は高い。

レッドソックスは今季終了後にセールとボガーツのほか、先発三本柱の1人であるリック・ポーセロもフリーエージェントとなる。また、ムーキー・ベッツとジャッキー・ブラッドリーJr.を保有できるのは来季までであり、主砲のJ.D.マルティネスは今季と来季の終了後にオプトアウト(契約破棄)の権利を行使することが可能である。これらの主力選手をチームに留めておくために、レッドソックスの球団フロント陣は今後しばらくの間、忙しい日々を過ごすことになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.