退職者や男性の“地域デビュー”は? 諫早で「語らん場」フォーラム

 長崎県諫早市が進めている「介護予防と生活支援の語らん場」に関して情報交換するフォーラム(市主催)がこのほど、市内であった。市民約350人が、退職者や男性の“地域デビュー”をテーマに意見交換した。
 「語らん場」は、住み慣れた地域で暮らすための方策を考えようと、2016年度から始まり、現在は全19地区で活動。3回目のフォーラムでは、退職者や男性の参加を望む声が多い点に着目し、参加しやすい地域活動の在り方を考えた。
 パネルディスカッションで、諫早総合病院の長郷国彦院長は、自身も参画している認知症カフェの運営を挙げ、「現役がセットアップするのは難しいが、できる分野で加わることはできる」と提案した。
 多良見町の中里自治会長の本田英二さんは定年退職後に起業し、老親の介護や孫の育児、自治会活動に関わる。「大変だったけど、自分らしく生きた時間。より多くの参加に向けて、ボランティアポイントの導入を」と要望した。
 日の出町の高齢者サロン運営に携わる田中芳子さんは「市役所を退職後、地域を知らなかったが、サークルに入り、人とのつながりが生まれて楽しい」と話した。
 基調講演をした医療経済研究機構の服部真治主任研究員は「さまざまな知識や技術を持つ退職後の男性に、地域で求めていることを知らせ、つなぐ役割が必要」と「語らん場」の方向性を示した。

退職者や男性の“地域デビュー”を考えたフォーラム=諫早市永昌町、ながさき看護センター

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