大川原部長、指導医に

日本脳神経血管内治療学会

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女性では道内初めて

室蘭・大川原脳神経外科病院
「脳血管内治療」の現状などを解説する日本脳神経血管内治療学会指導医の大川原舞診療部長

 大川原脳神経外科病院(室蘭市寿町、前田高宏院長)の大川原舞診療部長(42)が、日本脳神経血管内治療学会の指導医に認定された。女性の指導医は道内では初めて。脳梗塞や脳動脈瘤(りゅう)などに対して、カテーテル(管)を用いて血管内部から治療する「脳血管内治療」について、大川原診療部長は「患者さんの負担軽減につながる治療法」と解説する。

 破裂すると「くも膜下出血」を発症する脳動脈瘤に対して、主に金属コイルなどを使って瘤を閉じることで出血を予防する手術や、狭くなった血管を広げて血液の流れを改善させることで脳梗塞を防ぐ手術―など、「脳血管内治療」は現在、国内では年間1万件以上も行われている。同病院でも年間70~80件ほどの「脳血管内治療」を実施する。

 この治療は、足の付け根か肘の内側の動脈から細い管を入れるため、患者負担が少ないだけでなく、脳の中心部分にも到達できるなどの利点もある。また、最近では、発症から8時間以内の脳梗塞患者に対して、血管内に詰まった血の塊(血栓)をカテーテルで取り除く治療(血栓回収療法)など、血管内治療の適用も広がっている。

 脳血管内治療は、同病院では大川原診療部長が中心となって取り組んでいる。特に「時間との勝負」とも言われる脳梗塞の血栓回収療法は、「予後を改善する治療で、脳卒中の歴史を変える治療」(大川原診療部長)だが、用いる医療機器が特殊で高度のトレーニングを受けた医師と高性能の血管造影装置がなければ実行できない面もある―という。

 同学会の指導医は道内では13人ほどいるが、ほとんどが札幌圏に集中する。また、複数の脳血管内治療医が常勤する病院は、札幌圏以外では数少ない。同病院では、2人の脳血管内治療医が常駐しており、大川原診療部長は「(大都市部と同等の医療を提供する、との理念の下)しっかりと脳血管内治療を進めたい」と話す。
(松岡秀宜)