スタンダードのプリウスと差別化が図られたプリウスPHVにはハーフスポイラーを初採用
デザイン・ワークスが30&50プリウスに続いて手掛けたエアロパーツは52プリウスPHV。
プラグイン機能を持たせたPHVはプリウスをベースにしているものの全長が105mm長く、4連LEDヘッドライトを採用するなど明らかに差別化を図っている。
デザイン・ワークスもPHVはまったくの別物と考え、製作したエアロパーツは従来のバンパータイプではなく初の試みとなるハーフタイプだ。
ノーマルがもつイメージを崩すことなくボリュームアップさせるエアロパーツ
フロントはバンパーの前面を覆うラウンドフラップ、リヤにはディフューザー+大型エアアウトレットを配置してハーフながらバンパー並のアピール度を誇っている。
そして若干ボリュームアップさせたサイドステップを加えることでバランスの取れたスタイリッシュなフォルムを構築している。
デモカーのエアロパーツに施しているのはブラック/ガンメタ/シルバーの3色を使った塗り分け塗装。このあたりにもデザイン・ワークスのセンスの良さが伺える。
美しい綾織カーボンのボンネットは、元々軽いボンネットを凌駕する軽量設計
このPHVは東京オートサロン2019に出展されてPHVユーザーから注目を集めていたが、新たに加わったアイテムが2つある。まずひとつはカーボンボンネット。エコカーの最大のウリである燃費の向上を図るため、ボディの軽量化は大きな武器。
プリウスPHVのバックドアにはトヨタ初のCFRP(カーボン)が採用されてアルミ製に比べて約40%の軽量化が図られている。そこでリヤ側とのバランスを取ってフロント側も軽量化するためにボンネットをカーボン化したのだ。
純正ベースのデザインながらカーボンならではの繊維状の編み目はスポーティテイストを引き出す視覚効果も兼ね備えている。
デザインワークス初のリアウイングは、3D CADによるハイフィッティング設計
そしてもうひとつがハッチバックのラウンド形状にシンクロさせたリヤウイングだ。
デザイン・ワークスではこれまで製作を見送っていたが、ついにプリウスPHVでデビューすることとなった。
注目されるのがその製作方法。ハンドメイドでクレイモデルを製作する従来の方法ではなく、コンピュータでの3D CAD設計を採用している。
これにより100分のmm単位の精度を追求した高フィッティング、ハンドメイドでは不可能な左右対称のサーフェイスデザインが実現されており完成度の高いウイングに仕上っている。このカーボンボンネットとウイングは30&50プリウスにも加わる可能性は大いにある。
デビューしたばかりの後期プリウス用エアロは2019年春にリリース予定
デザイン・ワークスのプリウス用エアロパーツは30、50、52PHVの3タイプがラインアップされているが、ここに新たに加わるのが昨年の12月にマイナーチェンジされた50後期だ。
フロント周りが大きく変更された50後期の印象を福本代表に聞いてみると「デザイナーにはマイナーチェンジで変更するのはヘッド&テールライトと前後のバンパーだけという上からの指示があったはず。
その中でうまくまとめて前期のアクが抜けたと思いますね。この50後期の発表と同時にトヨタオリジナル、TRD、モデリスタの各2タイプのエアロパーツがリリースされていますが、デザイン・ワークスもエアロパーツを製作します」
とのこと。
50後期のエアロパーツはPHV用エアロのテイストを取り入れたハーフタイプ。2019年2月から製作に取りかかり、春先にはリリースされる予定だ。
PHVでのエアロパーツ開発で使用した3D CAD設計やカーボンボンネットを採用するかは、現在検討しているところ。
「DESIGN WORKS」は、これからも様々な車種で魅力的なエアロを提供する予定だ!
PHVや50後期のエアロパーツによってデザイン・ワークスのプリウス色は一層強くなってきたが、この企画の第1回目で解説したようにけっしてプリウスに特化したメーカーじゃない。メーカーを問うことなくさまざまな車種をターゲットにしている。
今年は魅力的な素材をより魅力的に仕上げるためにプリウス以外の車種にも取りかかる予定。いったいどんなクルマがデザイン・ワークスの手によってカスタマイズされるのか・・・乞うご期待!