駅舎解体進む「阿蘇山ロープウェー」 ゴンドラ保存を断念

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保存が断念された阿蘇山ロープウェーのゴンドラ「すいせい号」=昨年12月24日、阿蘇市

 九州産交ツーリズム(熊本市)は19日、同社が熊本県阿蘇市で運行していた阿蘇山ロープウェーのゴンドラの保存を断念したことを明らかにした。ゴンドラを保管している阿蘇山西駅舎は、解体工事が進んでいる。

 ゴンドラは幅2・2メートル、長さ7・5メートル、重さ約3トンで、1982年製造の90人乗り。現在、国内で運行中のロープウエーでは珍しい国産で、2009年にはJR九州の豪華寝台列車「ななつ星」などを手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインした内外装に一新していた。愛称は「すいせい号」。

 阿蘇山ロープウェーは、阿蘇中岳の火山活動活発化により14年8月末から運休。熊本地震とその後の中岳の爆発的噴火で、火口西駅に保管していたもう1基のゴンドラは損傷が激しく、駅舎とともに既に解体したが、すいせい号は損傷を免れ、保存の可否を社内で検討していた。

 同社によると、駅舎からの引き出しや運搬にかかる経費に加え、現地付近は火山ガスの影響で保存に適さないと判断した。

 新田浩三管理部長は「保存を求める声もあり、移転展示も検討したが現状では困難。非常に残念だがやむを得ない。部品の一部は保存を検討したい」と説明した。

 阿蘇山西駅は今月初めに解体を開始。ゴンドラ付近の取り壊しは3月中旬ごろという。同社はロープウエー施設を再建する方向で検討している。(岡本幸浩)

(2019年2月20日付 熊本日日新聞朝刊掲載)