<朝霞少女誘拐>一審を破棄、懲役12年 東京高裁で控訴審判決「悪質性を評価せず、軽い量刑」

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 埼玉県の朝霞市で2014年、少女を誘拐して約2年間監禁したとして、監禁致傷や未成年者誘拐などの罪に問われた寺内樺風被告(26)の控訴審判決公判が20日、東京高裁で開かれた。若園敦雄裁判長は懲役9年とした一審さいたま地裁判決を破棄し、被告に懲役12年を言い渡した。

 検察側は控訴審で「一審判決は心理的拘束の悪質性について正当に評価しておらず、刑が軽過ぎる」などと量刑不当を主張。弁護側は完全責任能力を認めたことについての事実誤認と量刑不当を主張していた。

 判決理由で若園裁判長は寺内被告の完全責任能力を認定。検察側が不合理だと主張していた一審判決の(1)監禁の心理的拘束の悪質性について言及していない点(2)少女が一時脱出したことを被告に有利な事情とした点(3)物理的拘束が緩やかであるとした点(4)誘拐の態様が巧妙ではないとした点―についてもいずれも不合理であるなどと判断した。

 一審判決について「監禁の特質を見誤り、心理的拘束の悪質性を適切に評価しなかった」と指摘し、「裁量の幅を逸脱して被告に軽い量刑をしたと言わざるを得ない」と述べた。

 さいたま地裁で17年に開かれた公判では不可解な言葉を叫んだり、「森の妖精です」などと不規則発言を繰り返した寺内被告はこの日、黒のスーツ姿で入廷し、真っすぐ前を向いて、判決の言い渡しを受けた。静かに座って判決理由を聞いた寺内被告は、裁判長に内容を理解したかを問われると「はい、理解しました」とはっきりとした口調で答えた。

 寺内被告は14年3月、朝霞市で当時中学1年生だった少女にうそを言って車に乗せて誘拐。16年3月までの約2年間にわたり少女を都内の自宅マンションなどに監禁し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせるなどした。

一審破棄し懲役12年判決