京セラCSが長崎にICT開発拠点を開設へ

 京セラコミュニケーションシステム(京都市)は20日、情報通信技術(ICT)開発拠点を11月をめどに長崎市内へ開設すると発表した。5年以内に50人の雇用を計画しており、人工知能(AI)関連システムの開発などを担う。
 同社は電子部品大手の京セラ(京都市)と通信大手KDDI(東京)が出資。資本金29億円。ICTのほか、通信や環境エネルギーのエンジニアリングも展開している。2018年3月期の連結売上高は1207億円。従業員数3074人。
 同社によると、長崎県の新拠点は長崎研究開発センター(仮称)。九州での拠点展開は福岡、鹿児島に続く3県目となる。AIによる不良製品の自動識別検査システムの開発や、アプリケーションのセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性診断など、ICT事業の開発力を強化するのが長崎進出の狙い。当初は5人程度の人員で始業する。
 同社は「自治体や教育機関との連携、高度なIT人材の確保、地元パートナー企業との協業に期待している」という。
 誘致を主導した県産業振興財団によると、長崎市出島町に同財団が整備したオフィスビル「クレインハーバー長崎ビル」(17年完成)に入居。3階4区画のうち1区画313平方メートルを利用する。
 中村法道知事は「人口減少対策として力強い地域経済の実現と良質な雇用の場の創出に力を注ぐ本県にとって、この上ない喜び。今後の企業誘致に向けて大きな弾みがつく」との談話を発表した。

京セラコミュニケーションシステムが拠点を構える予定のクレインハーバー長崎ビル=長崎市出島町

© 株式会社長崎新聞社