行政職員ら放射線学ぶ 愛媛県による大分初の防災研修 伊方原発【大分県】

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 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の重大事故に備え、大分県内の行政職員らを対象にした原子力防災研修会が20日、大分市内であった。放射線から身を守る方法などを知ってもらおうと、愛媛県が大分県で初めて実施。県内8市とトラック協会などの関係機関から参加した20人は放射線の測定を経験し、「有事に対応できるようにしたい」と口をそろえた。21日は同原発構内を視察する。

 線量計などの機器を扱う企業の担当者が講師となり、放射線の体への影響や被ばくの防ぎ方を説明した。新規制基準に基づく伊方原発の地震、浸水対策や、伊方町民が大分県へ海路避難する計画も紹介した。

 実習では、車のタイヤや人に放射性物質が付着しているとの想定で測定機器の使用法を学んだ。白い防護服の着脱や、手の甲の表面をウエットティッシュで拭き取る簡易除染にも取り組んだ。

 杵築市危機管理課の岩尾豊彦参事(54)は「測定機器を触るのは初めて。放射線に関する基礎知識を学ぶことができてよかった」と感想を述べた。

 日本赤十字社県支部(大分市)の職員、飯室沙也花さん(24)は「原発に不安や誤解を抱く人は多く、一般の人にもこうした機会をつくってほしい。想定を超える災害が起こる可能性もあり、安全対策の改善を続けてほしい」と求めた。

 研修会は国が全国の原発立地県で行政職員らを対象に開いてきた。本年度から実施主体は立地県に変更され、内容もそれぞれの地域の実情に応じて検討することになった。愛媛県は伊方町民の広域避難先になっている大分県でも開催を決めた。

 愛媛県原子力安全対策課の越智祐二郎係長は「大分県とのさらなる連携を進めたい。新年度以降も続けていきたい」と話した。

 伊方原発を巡っては、四国電が1、2号機の廃炉を決定。司法判断で運転を禁じられていた3号機は昨年10月に再稼働した。