【MLB】菊池雄星の「バックドアカーブ」に対戦打者が感嘆 「鋭くゾーンに戻ってきた」

ライブBPに登板したマリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】

直球も称賛「直球を空振りした。彼の直球は良いね。球速がある」

 西武からマリナーズにポスティングシステム(入札制度)で移籍した菊池雄星投手が19日(日本時間20日)、実戦形式で投げる「ライブBP」に初めて登板。同じく新加入でメジャー契約のドミンゴ・サンタナ外野手、ティム・ベッカム内野手を含む4人の打者と対戦した。

 キャンプ8日目にして初の「ライブBP」に臨んだ菊池。サンタナとベッカムにそれぞれ安打性の当たりを1本ずつ許したものの、打者4人計10スイングでゴロ1つ、空振り4つ、ファウル3つの内容だった。

 菊池が対峙したベッカムは2008年にレイズからドラフト全体1位指名を受け、超有望株として期待されていた逸材。27歳となった2017年にようやく遊撃のレギュラーを掴み、レイズとオリオールズの2球団(シーズン途中に移籍)で打率.278、22本塁打と開花した苦労人だ。今オフにFAとなり1月10日(日本時間11日)にマリナーズと契約。トレードで放出した昨季までの正遊撃手ジーン・セグラの後釜として期待されている。

 ベッカムは菊池について「今日一番良かった球はカーブだと思う。僕にカーブを2球投げたよ。今日僕に投げた球では、カーブが一番良かった。直球も良かった」と語り、「キレがあった。最後に僕に投げたカーブはバックドアカーブだった。鋭くゾーンに戻ってきた。本当に良い球だった。彼の投球、特にカーブは良いと思うよ」と続けた。“バックドア”とは、外角のボールゾーンから変化してストライクゾーンに入ってくるボールのこと。メジャーで活躍するにはストライクゾーン、ボールゾーンの“出し入れ”も重要となってくるが、そこも高く評価していた。

 さらに、ベッカムは「スライダーを打って、直球を空振りした。彼の直球は良いね。球速がある。球速は分からないけど、94、95(マイル=約151、153キロ)くらいかな」と直球も絶賛。この日、最速は92マイル(約148キロ)だったが、直球の威力を確かに感じたようだ。

 菊池の挑戦は始まったばかり。だが、初対戦のチームメートからすでに高評価を得ている。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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