東博所蔵 潜伏キリシタン資料 “里帰り”協力を 浦上地区の教会 県に要請

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 長崎市浦上地区のカトリック教会関係者は20日、東京国立博物館(東博)が所蔵している浦上の潜伏キリシタン関係資料をできるだけ多く浦上へ“里帰り”させ、現地で展示できるよう県に協力を要請した。県は3月に教会関係者や長崎市と共に東博を訪問することを検討。東博も協議に応じる姿勢を示している。
 東博によると、東博所蔵のマリア観音像や踏み絵、ロザリオ、絵画などキリシタン関係資料432件のうち、284件が長崎奉行所由来という。幕末のキリシタン弾圧事件「浦上三番崩れ」や「浦上四番崩れ」を通して同奉行所が潜伏キリシタンから没収し、その後、国へ移管された資料が中心で、いずれも国の重要文化財となっている。
 長崎歴史文化博物館(長崎市立山1丁目)は現在、このうち約80点を長期借用し、常設展示に活用している。2015年に開いた「信徒発見」150周年記念企画展では約200点を一時的に“里帰り”展示した。
 今回要望したのは、カトリック浦上教会の久志利津男主任司祭を中心とする実行委、カトリック長崎大司教区、地元の信徒など。昨年の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録や、ローマ法王が今年来崎予定であることなどを踏まえ、地元展示の充実を目指し平田研副知事に要望書を提出した。
 久志主任司祭は「浦上教会やその近くに一つでも二つでも展示したい。浦上の信徒の生きた証しである資料を見て思いを巡らせることができたら」と話した。
 東博によると、所有権の移転は困難で、貸与する場合でも一定水準の保管・展示環境が必要という。「もともと浦上にあった資料。地元の思いを考えながら、どんな対応ができるか検討したい」としている。

東京国立博物館が所蔵している長崎奉行所由来の「聖母子像」(同博物館提供)