いまだFAの好投手・カイケル ハーパーの契約決定待ちか

2015年にア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞するなど、直近5シーズンで計67勝をマークし、今オフのフリーエージェント先発投手市場において注目株の1人となっているダラス・カイケルだが、2月後半に突入した現在も契約先が決まっていない。カイケル獲得に興味を示す球団はあるものの、その筆頭であるフィリーズがブライス・ハーパーの獲得に向けて注力しているため、カイケルの市場が動かないのだ。カイケルの契約が決まるのは、ハーパーの移籍先が決定してからということになりそうだ。

フィリーズの先発ローテーションには左腕が1人もおらず、実績豊富な31歳左腕のカイケルはフィリーズのチーム状況にフィットする存在であると言える。しかし、MLB公式サイトのマーク・フェインサンドと、同サイトでフィリーズの番記者を務めるトッド・ゾレッキーは、フィリーズがハーパーの移籍先が決定する以前にカイケルとの契約を成立させる可能性は低いと指摘する。

また、フェインサンドは「フィリーズがこの左腕(カイケル)の獲得に動かないのであれば、アストロズが短期契約でカイケルを呼び戻す可能性もある」と、アストロズとカイケルが再契約を結ぶ可能性に言及。「アストロズのほか、ブレーブス、ブリュワーズ、レンジャーズなどがカイケル獲得への動きを見せているが、いずれのチームも長期の大型契約を望んでいない」とカイケルの市場の状況について語った。

いまだ市場に残っている一流クローザーのクレイグ・キンブレルも、カイケルと同様の状況にあると考えられている。マニー・マチャドがパドレスと10年3億ドルで契約合意に至ったように、もしフィリーズがハーパー獲得にも失敗するようなことがあれば、「フィリーズがカイケルまたはキンブレル、もしくは両方を獲得する可能性がある」とフェインサンド。要するに、カイケルもキンブレルも、最も資金力のある球団の1つであるフィリーズからのオファーを待っている状況なのだ。

ゾレッキーとフェインサンドの見解が正しければ、ハーパーの契約が決まり次第、フリーエージェント市場は大きく動き出すことになりそうだ。

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