鷹・松田×ソフト山田が特別対談(1) 東京五輪への思い激白「応援団長でも…」

ソフトバンク・松田宣浩(左)と日立ソフトボール部・山田恵里【写真:篠崎有理枝】

日本代表経験が抱負な2人、「女イチロー」山田も「もう1回出たい」

 2020年の東京五輪が目前に迫っている。2008年の北京五輪以来3大会ぶりに野球、ソフトボール競技が復活するが、2013年、2017年のWBCに日本代表として出場経験のあるソフトバンクの松田宣浩内野手と、アテネ五輪で銅、北京五輪で金メダルを獲得し「女イチロー」の異名を持つ日立ソフトボール部の山田恵里外野手が、Full-Countのスペシャル対談で東京五輪への思いを語り合った。

 WBCに2度出場経験のある松田は、東京五輪でも代表入りしたいと話し、そのためにも今シーズンは活躍しなければいけないと意気込む。一方の山田も、北京五輪で金メダルを獲得してから12年振りとなる五輪にかける思いは人一倍大きい。

松田「東京五輪には応援団長で出たいです(笑)。それくらい、メンバーに入りたいという思いはありますね。WBCには2回出させてもらって、あと何があるかといったら、オリンピックだと思う。今年36歳ですが、バコバコ打って活躍して、サードで選んでもらえるくらいの数字を出したいと思っています。今シーズンは、どの競技の選手にもやりがいがある1年だと思う。2019年に活躍した者が、東京五輪の代表に選ばれる。WBCに2回選ばれたときも、前の年はめちゃめちゃ頑張れた。モチベーションになりますね。日の丸って、かっこいいじゃないですか。サッカーは代表戦が多いけど、野球で日の丸を背負ってプレーする機会は滅多にない。オリンピックも経験したいです」

山田「2大会ソフトボールがなかったから、もう1回出たいという思いが強いです。北京で金メダルを取って、その後に五輪競技からなくなって、目標を見失ってしまう時期がありました。その時は『自分一人の力じゃなく、いろんな人の支えがあってソフトボールを続けられた。恩返ししなきゃ』という思いで続けてきました」

松田「決勝で勝った時の喜びを味わいたい」、山田「次のフランスにつながるプレーを」

 松田は2度のWBCのほか、2015年のプレミア12でも日本代表を経験。山田も昨年は日本代表として世界選手権に出場するなど、ともに多くの国際大会を経験しているが、海外の選手との対戦は、国内でプレーすることとは全く異なると声をそろえる。

松田「全く日本でやっている野球じゃない。スポーツが変わると言ったら大げさすぎるけど、全く違う人間とやっている感じ。日本は教科書通りに型にはめて野球をやるけど、そういうのがない。骨組みがない人たちとやっているからすごいパワフル。でも、日本人は日本人らしくやったらいいのかな。と思います」

山田「国内の試合とは全然違いますね。プライドと身体能力がすごく高いので、その外国の選手が日本の細かいソフトボールをやったら、もっと強くなってしまうんではないかと思います。でも、それは日本人しかできないのかもしれない。その細かいソフトボールで、日本は勝っていくしかないと思います」

 松田は2度のWBCとプレミア12の3大会とも準決勝で敗退しているため「国際大会の決勝を経験してみたい」と、東京五輪での代表入り、そして金メダル獲得を目標に掲げる。また山田は、東京五輪の金メダル獲得だけでなく「ソフトボール競技が開催されるか決まっていない、次のフランス五輪につなげるプレーをしたい」と、その先も見据える。

松田「WBCでは最終ラウンドでアメリカに2回行っているけど、2回ともベスト4で敗退している。準決勝で負けて、その先をまだ見ていないので、決勝で勝った時の喜びを味わいたいですね。ぜひとも応援団長ででも出たい。今年は声を人一倍出せば何とかその枠を貰えるんじゃないかと思っています(笑)」

山田「ソフトボールはプロではないので、国際大会が大きな大会です。その中でも、オリンピックは一番大きい大会。そこでいい結果を残すことは、ソフトボール選手にとっての一番の目標です。それを、来年達成したい。次のフランスでは、ソフトボールがあるかどうか決まっていないので、そこにつなげるプレーをしなきゃいけないとも思っています。北京の金メダルは、今までで一番うれしかった。東京でもまた金メダルを取りたいです」(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

© 株式会社Creative2