ユウコウ食材に仏料理 現代の名工・川端さん手掛ける

 長崎市の外海、土井首地区にだけ自生するかんきつ類ユウコウを食材にしたフランス料理を味わうイベント「ゆうこう晩餐(ばんさん)会」が20日、長崎市出島町の出島内外倶楽部であった。
 ユウコウは甘く爽やかな香りが特徴で、見た目はユズに似た長崎の伝統果実。スローフード協会国際本部(イタリア)の「食の世界遺産」に認定されている。
 イベントはNPO法人「長崎の食文化を推進する会」(山下慧理事長)と長崎市の共催。ホテルニュー長崎(長崎市)の名誉総料理長で、昨年11月に「現代の名工」に選ばれた川端明さん(65)がメニューを手掛けた。
 肉料理、魚料理のソースやドレッシング、スープ、デザートなど、すべての料理にユウコウを使用。市民ら35人が参加し、和やかに歓談しながら食事を楽しんだ。同市土井首町自治会長でユウコウ生産者の小中龍徳(たつのり)さん(84)は「こんなにすてきな料理になってうれしい。ユウコウで、みなさんとの友好も深まった」と喜んでいた。

ユウコウを食材にしたフランス料理を味わう参加者=長崎市、出島内外倶楽部レストラン

© 株式会社長崎新聞社