ロボット掃除機「ルンバ」が圧倒的な進化を遂げた
ロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」などでおなじみアイロボット(アイロボットジャパン合同会社)が、新製品『ルンバi7/ルンバi7+』を発表した。間取りを学習し部屋毎の掃除を行うなど効率を大幅にアップ。Wi-Fi機能を備えスマホアプリやスマートホームからの操作指示に対応するほか、自動ゴミ収集機“クリーンベース”も新導入し、ユーザーの負担を軽減させた。
ルンバi7(9万9880円・税抜、以下同)が2019年2月22日から、ルンバi7+(12万9880円/クリーンベース付)が3月8日から、それぞれ発売を開始する。
1990年、マサチューセッツ工科大学(MIT)のロボット学者たちが立ち上げたアイロボット社。ロボットの世界累計販売台数は2500万台を突破し、名実ともに世界トップのロボットカンパニーとして進化を続けている。
2019年2月19日に東京都内で行われたルンバi7シリーズの記者発表には、アイロボット社創業者のコリン・アングルCEOが来日。自らステージでプレゼンテーションを行った。
創業者コリン・アングルCEOが長年夢見た完璧さを実現した「ルンバi7+」
「ユーザーが触れる必要なく、人に代わって仕事をしてくれる」のが理想のロボット像
我々がロボットに対して望むのは、人に代わって仕事をしてくれること。しかもユーザーが触れる必要のないこと。それは、2002年からロボット掃除機を手掛けて以来、コリン・アングル氏がずっと構想してきた世界だ。
今回発表した新型ルンバi7+は、ユーザーが意識せずとも、家に帰れば部屋がきれいになっているという、まさにアングル氏が夢見た「完璧なルンバ」、そして「最も重要なルンバ」だと熱を込めて語る。
AIは素晴らしいが制約の多い機能である
そもそもルンバといえば、本体の「CLEAN」ボタンさえ押せば部屋中を縦横無尽に走り回り、勝手にお掃除をしてくれる便利なロボットだ。クルマで言うところの“自動運転機能”だ。それだけでも十分に画期的だったが、ルンバi7+ではその機能が圧倒的に拡張されている。実現のカギはやはり「AI」(人工知能)だ。
しかしアングル氏はAIについて「素晴らしいが制約の多い機能だ」と意外な説明をする。
ロボットはそのままでは、自らの居場所さえわかっていない。だからルンバでは、部屋の状況を判断しながら隅々まで掃除し、最後はちゃんとホームベースの充電口まで戻って来ることの出来るiAdapt(高速応答プロセス)を進化させてきた。
圧倒的な処理能力でルンバが部屋毎の間取りを記憶する
ルンバi7+では、これまで培ってきたiAdaptの機能を大幅に拡張させた「iAdapt3.0ビジュアルローカリゼーション」を搭載。掃除の度に状況判断してきたこれまでのプロセッサとは桁違いの圧倒的な処理能力を有することで、高性能センサーやカメラを用いて家中の間取りを記憶出来るImprintsmartマッピング(学習機能)を持たせることが出来た。掃除したところとしていないところを的確に記憶し、効率的に掃除を行う。
また複数の部屋の間取りも把握。スマホやタブレットのiRobot HOMEアプリとルンバのWi-Fi機能を通じて連携させることで、外出先から清掃履歴を見たり、特定の部屋を特定の日時で定期的に掃除させたり出来る。
さらにGoogleアシスタントやAmazon Alexaといった家庭のスマートスピーカーからも『Ok Google、掃除して』とルンバの動作指示を出すことも可能だ。
ルンバi7+で遂に実現した“完璧なルンバ”の世界とは
ルンバは家庭内で小回りの効くコンパクトなボディゆえ、ゴミを収納するダスト容器はさほど大きくはない。コリン・アングルCEOが理想とする「ユーザーが触れる必要のない」世界を実現させるべく、ルンバi7+では自動ゴミ収集機「クリーンベース」を充電用ホームベースに備えた。ダスト容器で30杯、およそ数週間分のゴミを密閉型の紙パックへ自動的に集めることが出来る。この間ユーザーは、掃除機と掃除のことを意識せず過ごせる。
iAdapt3.0ビジュアルローカリゼーションとクリーンベースで、ルンバi7+は「完璧なルンバ」となった。
[筆者:トクダ トオル(オートックワン編集部)/撮影:オートックワン編集部]