ミッドタウンのスタジオで、レオタード姿の少女たちがレッスン開始前から自主練習やウオーミングアップ、ストレッチを行う。
「では、始めます!」。バレエ歴31年、ダンサーで振付師の三木奈奈さんの声で、「ナナバレエ」のジュニア&ティーンクラスがスタート。生徒たちは背筋をピンッと伸ばして立つ。バーにつかまって姿勢を整える。
「まだ体がうまくコントロールできない子に、バーレッスンがいかに大切かを伝えています」と、三木さんは基礎練習に力を入れている。「膝の後ろ、しっかり伸ばして」「背中もしっかり伸ばして」「おなか引き上げて」と、矢継ぎ早に注意を促す三木さんに、必死でついていく生徒たち。
次に膝を横に開いたまま曲げていく「プリエ」から、つま先を床に置く「タンデュ」、つま先を床から離す「デガジェ」の特訓をこなしていく。「反りすぎないで」「音に合わせて」「イン・アンド・アウト」「ロールアップ」と、時々お手本の動きを見せながら指導する三木さん。さらに、アシスタントの竹下真歩さんが生徒の間を回って、細かく直してくれる。
「ハナちゃん、今のいいですよ」「カンナちゃん、ちゃんとできていますね」と、三木さんは褒めることも忘れない。「モチベーションが上がり、自分の得意なところが出てきます」と、一人一人の良さを引き出していく。
レッスンは、「柔軟強化トレーニング」から「センターレッスン」までで、バーを離れてのターンやジャンプの練習で終了した。
クラスを取って5年になる山本杏菜さん(9歳)は「最初はうまく踊れなかったけど、練習していくうちに3回転ができるようになりました。体も軟らかくなって、上手になってきて先生に褒められました」とうれしそう。
妹の花希(はなの)さん(7歳)と一緒にレッスンを受けている大西一花(ひな)さん(9歳)は「クラスに通って6年ですが、将来はバレリーナになりたいです」と目を輝かせる。母親の潤子(ひろこ)さんは「先生が一人一人の個性や特性をしっかり見てくれます。人前でソロを発表するたびに自信が出てきて、2人とも本番に強い子に成長してくれたと実感しています。舞台でプリンセスになって踊れるので、毎回親子でワクワクしています。先生は女の子のハートをしっかりつかんでいますね」と笑う。
タバリ・アリスさん(8歳)の母親の南綾乃さんは、「私も子供の頃にバレエがやりたかったので、子供に3歳から習わせていますが、本人は体が軟らかくなったと喜んでいます。レッスンは厳しいけれど、バレエが好きになるように楽しく教えてくれているようで、先生が大好きと言っています」と、子供の成長を見守っている。
「生徒には、バレエをやっていたから今の私がいると思える糧にしてほしい」と、三木さんは願っている。
Nana Ballet
毎週木曜午後4時~5時10分にキッズ&ジュニアベーシッククラス(4歳〜)、金曜午後4時10分~5時30分にジュニア&ティーンクラス(7歳〜)を4 W. 43rd St., 8th Fl.で開催。月1回フォレストヒルズでも。
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