熊本空港への鉄道整備 熊本県、JRと基本合意

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 熊本県は21日、熊本空港(益城町)に直結する鉄道整備に関し、整備費の3分の1を上限にJR九州が負担することで、同社と基本合意したと明らかにした。JR豊肥線の三里木駅(菊陽町)から県民総合運動公園(熊本市東区)に新設する中間駅を経由し、空港までの約10キロを結ぶ。列車の豊肥線乗り入れは困難として、直通運転はせず、三里木─空港間をピストン輸送する。

 蒲島郁夫知事は完成時期について、「空港の新ターミナルビルが完成する2023年春にできるだけ近づける」として、早期実現に意欲を示した。

 県交通政策課によると、三里木駅から空港まで高架を主体とした新路線として整備。県を中心に設立する第三セクターが建設し、線路など設備や車両を所有する。運行や保守点検はJRに委託する。

 整備費は概算で約380億円。JRは三セクに出資はせず、開通後に豊肥線の利用者増で生じる増収分の一部を支払う。

 豊肥線への乗り入れ見送りは、朝夕のラッシュ時に運行ダイヤに余裕がないことや、阿蘇や肥後大津駅(大津町)方面の減便を防ぐため。同課は「三里木駅ホームでの対面乗り換えなどを検討し、空港-熊本駅間の鉄道利用時の所要時間はリムジンバスの約60分よりも短い40分程度になる」としている。

 JRとの協議では、将来の豊肥線への直通を検討する余地を残し、乗り入れで必要となる複線化などの事業費は「県がすべて負担する」として、合意内容に盛り込んだ。

 県は19年度一般会計当初予算案にルートや事業費などの詳細調査費5千万円を計上し、20年3月までに結果をまとめる。

 JR九州は「県の調査・検討結果を踏まえながら、できる限り協力していきたい」とした上で、「基本的な方向性が固まったので、これから詳細を協議する」と述べた。(野方信助、小林義人)