ハーパー争奪戦はフィリーズとジャイアンツの一騎打ちか

マニー・マチャドがパドレスと10年3億ドルの契約を結び、フリーエージェント市場に残るただ1人のスーパースターとなったブライス・ハーパー。一時は「本命」と見られるフィリーズのほか、ジャイアンツ、ホワイトソックス、パドレス、ナショナルズなど、少なくとも5球団が争奪戦に加わっていたものの、現在はフィリーズとジャイアンツによる一騎打ちの様相を呈している。ここではハーパー争奪戦に関わる各球団の状況を整理してみる。

今オフ当初からハーパー獲得の有力候補に挙げられていたフィリーズは、現在も「本命」と見られている。SNYのアンディ・マルティーノは、ハーパーがフィリーズとの契約に乗り気でないことを伝えているが、フィリーズ側はハーパーを獲得に自信を見せているという。マチャドの10年3億ドルという契約について、「我々の評価を上回る金額だった。(自軍の評価と実際の価格に大きな差があるときは)手を引かなければならないこともある」と語ったマット・クレンタックGMだが、ハーパー側を満足させられる契約を提示できるかどうかがポイントとなりそうだ。

昨季までハーパーが所属したナショナルズは、昨季終了時に10年3億ドルのオファーを拒絶されたことが報じられている。ハーパーはジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)が2014年にマーリンズと結んだ13年3億2500万ドルというアメリカスポーツ史上最高額の契約を超えることを目指しているようだが、ナショナルズにオファーを上積みする意思はなく、撤退が濃厚だ。

また、USAトゥデイのボブ・ナイチンゲールは、マチャド獲得に成功したパドレスと、ハーパーよりもマチャドを欲していたホワイトソックスも撤退が濃厚であることを伝えている。マチャド獲得に失敗したホワイトソックスは、比較的安価なフリーエージェント選手に狙いを定め、引き続き補強の可能性を探っていくと見られる。

ハーパー争奪戦に加わった当初、短期契約での獲得を目指していたジャイアンツだが、MLBネットワークのジョン・ヘイマンは「彼らが依然ハーパー獲得を目指しているのであれば、方針を転換した可能性がある(=長期契約をオファーする可能性がある)」と指摘。本拠地のオラクル・パークがメジャー有数の「左打者に不利な球場」である点が、ハーパー獲得に向けてのハードルとなるかもしれない。

以上により、ハーパー争奪戦は現状、フィリーズとジャイアンツによる一騎打ちとなっている可能性が高い。「スタントン以上の契約を提示すれば、すぐに話がまとまるだろう」と指摘する関係者もいるが、果たしてハーパーはどのような契約を得ることになるのだろうか。

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