フィリーズはハーパー最優先 カイケル&キンブレル獲得には動かず?

フリーエージェント市場に残るスター選手はブライス・ハーパーだけではないものの、フィリーズが本気で獲得を狙うのはハーパーただ1人になる可能性が高そうだ。MLB公式サイトでフィリーズの番記者を務めるトッド・ゾレッキーは、ダラス・カイケルとクレイグ・キンブレルの2人がチームにフィットし得る存在であることを認めつつも、フィリーズが両投手の獲得に動く可能性は低いと指摘。ハーパー獲得に成功すれば、フィリーズの大型補強は終了ということになりそうだ。

フィリーズのマット・クレンタックGMは、パドレスがマニー・マチャドと10年3億ドルで契約したことを受けて、「この契約は我々のマチャドに対する評価を超えていた。(選手の価値に見合わないと判断すれば)手を引かざるを得ないこともある」と発言。豊富な資金力を有するため、ハーパー、カイケル、キンブレルといった大物フリーエージェント選手を獲得する可能性が取り沙汰されているフィリーズだが、クレンタックはあくまでも選手の価値に見合った投資を行う方針だ。

カイケルとキンブレルは、いずれも5年前後の長期契約を求めていることが報じられている。しかし、カイケルは長所であるゴロ率が大きく低下するなど、本来の巧みなピッチングに陰りが見え始めており、カイケルが1~2年の短期契約に応じない限り、ニック・ピベッタ、ザック・エフリン、ビンス・ベラスケスといった発展途上の先発投手を抱えるフィリーズがカイケル獲得に動く可能性は低い。

本来のパフォーマンスに陰りが見え始めているのはキンブレルも同様で、昨季は速球の平均球速や投球のストライク率が大幅に悪化。セランソニー・ドミンゲス、デービッド・ロバートソン、ヘクター・ネリスと試合終盤を任せられる投手は揃っており、リスクを冒してまでキンブレル獲得に動く必要はない。

よって、フィリーズはハーパー獲得に全力を注ぐ方針だ。ハーパー獲得に失敗すれば、余った補強資金を利用してカイケルやキンブレルの獲得を模索する可能性もあるが、フィリーズはハーパー獲得に自信を見せており、カイケルやキンブレルがフィリーズのユニフォームに袖を通る可能性はほとんどなさそうだ。

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