丸の内OL・清瀬まちの日常
ヤングエグゼクティブなIT会社員・列草優（れくさ ゆう）は、数日前、彼女の清瀬まち（丸の内OL）が海外出張から半年ぶりに帰国するという連絡を受け取った。
まちとはネットのオフ会で知り合い、付き合うことになった仲だが、年の差が10歳あり、なんだか最近は話が合わなくなっている。とはいえ、どうしても彼女と別れたくない列草は、二人の仲介を、“自分とだけ”話をすることができる（！）愛車のレクサスUXに託しつつ、空港へと足を運ぶのであった。
（この物語はフィクションです）
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列草：「なあ、UX。彼女はお前のこと気に入るかな？」
UX：「可能性としてはフィフティフィフティじゃないでしょうか。私は一般的には高級車の部類に入りますし、もしかしたら彼女さんの勘に触るやもしれません」
列草：「そんな残念なこというなよ。俺はまちが喜ぶと思ってお前を買ったんだから」
UX：「私はただのクルマです。しかし、背の高さを抑えたコンパクトSUVというコンセプトは自動車界でも比較的珍しく、デザインコンシャスだと感じてもらえるのではないでしょうか」
列草：「はは。なんだかお前と話してると仕事でPDCAサイクル回してるような気分になってくるなぁ（笑）……お、まちが来たぞ、頼むぜUX！」
まち：「オッス、優くん。なんだか今日はクールなクルマに乗ってるね」
列草：「お、おう。まちがいない間に買い替えたんだよ。ほら、それよりおかえりの熱いキスを……」
まち：「ほら、それより早くクルマだして。このまま会社まで送ってくれるんでしょ？」
列草：「つれねーなぁ。俺はまちが日本にいない間、ずっと深刻な“まちロス”だったんだぜ。あまりにも時間を持て余してたからユーチューバーにでもなろうかと思ったほどだよ」
UX：「列草さま、そのジョーク特段面白くありません」
列草：（うっさい！ それよりなにか彼女が喜びそうなポップなエピソードはないのか？）
UX：「……私が察しますに、彼女は少々ヲタク気質があると思われます。サブカル的なお話をなさってはいかがでしょう？」
列草：「そ、そうだ。まちってさ、レアポケモンのいる場所知らないだろ。ちょっといまから行ってみないか？」
まち：「あ〜でたでた、そういうところがジェネギャなんだよね。私のこと明るいメンヘラ女子だと思ってるでしょ？ サブカルとヲタの世界は違うの！」
列草：（ちょっと、ぜんぜんイニシアチブとれてないじゃん！ オイUX、彼女のニーズをしっかり読み解け！）
UX：「かしこまりました。では、ここで音楽をかけましょう」
まち：「……あ、これ〜。乃木坂の新曲じゃん♪」
列草：「く……結局ヲタじゃん。ま、俺も乃木坂好きなんだけどさ（笑）」
まち：「ねえ優くん、この曲なんだかクリアに聴こえてくる」
列草：「それだけ車内が静かなんだよ。レクサスクオリティってやつな」
まち：「レクサ……なに？」
列草：「なんでもないよ」
束の間のcoffee break
まち：「優くん、まだ時間あるからちょっと休憩しようよ」
列草：「オッケー」
まち：「～♪」
列草：「（横顔に見とれつつ）・・・ご機嫌だね？」
まち：「なんかさ、新しいクルマとか買って、私の気を惹こうとしてるんでしょ？」
列草：「うーん、ま、なんつーか、まちのニーズにソリューションしてアライアンスをだなぁ……」
UX：「列草さま、動揺してはいけませんよ」
列草：「そう、そうだよ。俺はいつもまちのことばっか考えてんだよ！」
まち：「へぇ……うれしいなぁ」
UX：「列草さま、あまり熱くなりすぎずに、こんなときは外の空気を吸ってはいかがでしょう？」
列草：「なあ、まち。ちょっと外出て散歩しようか」
まち：「いいね」
まち：「わー、改めて見直してみると、このクルマのデザインってなんだか大胆なんだね」
列草：「まちがカッコいいと思ってくれればいいんだけどな」
まち：「いいと思うよ。けど、私がいいなって思いそうなクルマを選んでくれたってことが一番うれしいかな」
列草：「ま……まち」
まち：「やっぱり新しいクルマって新鮮でいいな。いつまでも初々しいままのふたりでいたいけど、普通にしてたら難しいもんね」
列草：「うん、俺も星野源と新垣結衣のドラマとは違うって思った（笑）」
まち：「それな（笑）」
まち：「よし、こっからはあたしが運転しよっと（そう言いつつ運転席に座る）」
列草：「おいおい、疲れてるんだろ？」
まち：「わぁ〜、なんだか運転席は結構タイトだね」
UX：「なんだか申し訳ありません」
列草：「それって狭いってこと？」
まち：「そうじゃなくて、飛行機のコクピットみたいでカッコいいってこと。けど、見晴らしがいいから私でも運転できそうだ」
UX：「列草さま、今こそ男らしさをみせる時です」
列草：「あ……けどさ、今日は出張帰りなんだから、あとは後ろの席にでも座っていてください、お姫さま」
まち：「おう、じゃあ頼んだよ。運転手くん！」
冷静と情熱のギャップ
まち：「あら、後ろの席も乗り心地悪くないじゃん」
列草：「だろ、結構ソフトでしょ。かといってラグジュアリー方向に振り過ぎてるわけでもなくてさ。操舵応答性も操縦安定性もレベルが高くて、走りが奥深いんだよ。それに、車幅はあるけど、取り回しはしやすいしね！」
UX：「列草さま、あまりカーマニアっぽい発言は女性から嫌われます」
列草：「（そ、そうだった。まずいな……）さ、着いたぞ〜」
まち：「じー……」
列草：「なに、じーって。ほら、降りなよ」
まち：「今さ、クルマのこと熱心に語ってたじゃん」
列草：「……なんかごめん」
まち：「違うの。優くんそういうところ、普段あたしに見せないでしょ」
列草：「そうだな。もうすこし大人らしく……」
まち：「ううん、無理に大人っぽくしなくていいの！ いつもワークフローがどうたらとか言って、仕事バリバリしてる理想の年上男性を演じてたでしょ」
列草：「べ、別に演じてたつもりは……」
UX：「列草さま、私だって、努めて高級車然とせず、走りの楽しさのような部分をオーナー様にご提供しているつもりです。より自然体でいきましょう」
列草：「う、うおぉぉぉ、まっち〜、ホントは俺、そんなに仕事熱心じゃないんだよぉぉぉ。大人の俺はフィクションなんですぅ〜！」
まち：「な〜に、その突然の変化（笑）。冷静と情熱のギャップがすご過ぎ！」
列草：「（照笑）」
まち：「じゃ、ここでね。今日はありがと」
列草：「おう、じゃあな。疲れてるだろうけど頑張れよ」
まち：「ちょっと待って。優くん、なにか忘れてない？」
列草：「え、それって……」
UX：「列草さま、ご名答です。今こそ情熱的なキスをどうぞ」
[Text：安藤 修也／Photo：小林 岳夫／Model：清瀬 まち]
Bonus track
清瀬 まち（Machi Kiyose）
1991年3月23日生まれ（27歳） 血液型：B型
出身地：岡山県
日本レースクイーン大賞2016 グランプリ受賞
SUPER GT LEXUS TEAM SARD 2019 KOBELCO GIRLS
SUPER GT LEXUS TEAM SaRD 2018 SaRDイメージガール
SUPER GT エヴァンゲリオンレーシング2017
2018 RIZINガール
