侍ジャパン4番の最有力候補 巨人岡本に稲葉監督が求めているもの

侍ジャパン・稲葉篤紀監督【写真:福谷佑介】

4番は「これからじっくり考えたい」も…岡本が最有力候補となる稲葉ジャパン

 野球日本代表「侍ジャパン」は3月9日、10日に京セラドームで「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2019 日本vsメキシコ」を戦う。2月18日には稲葉篤紀監督が沖縄・那覇市内でメンバー28人を発表。日本ハムの清宮幸太郎内野手やヤクルトの村上宗隆内野手ら高卒2年目の19歳も選出されるなど、若いメンバー構成が注目を集めた。

 稲葉監督も「本番までに不測の事態や想定外なことが起きることもあると考え、このメキシコ戦は私の選択肢を増やすためにも、まだ見ていない力のある選手を試す最後のチャンスとしました」と会見で語り、今秋の「プレミア12」や来年の東京五輪に向けた選手発掘、国際経験を積ませる場としてこのメキシコ戦を活用することにした。

 侍ジャパン初招集が、実に11人を数えるフレッシュな顔ぶれとなったメキシコ戦メンバー。昨秋に行われた「2018日米野球」から継続して選ばれたのは、DeNAの山崎康晃投手、ソフトバンクの高橋礼投手、甲斐拓也捕手、上林誠知外野手、楽天の田中和基外野手、そして巨人の岡本和真内野手だ。

 今回のメキシコとの2試合では、岡本が4番の最有力候補だろう。昨秋の日米野球では第1、4戦目で西武の山川穂高内野手、第2、3、5戦目ではソフトバンクの柳田悠岐外野手が4番に入り、第6戦は岡本が務めた。稲葉監督は会見で「何人か(4番)候補はいるんですが、まだ考え中で答えは難しい。若くて長打力のある選手もいますので、これからじっくり考えたいと思います」と語っていたが、メンバー構成を見ても岡本が最有力。他の候補となるのはオリックスの吉田正尚外野手、阪神の大山悠輔、そして若手抜擢という意味での清宮や村上といったところか。

「今年はもっともっと評価される大事な年になる」

 昨秋から引き続いてメンバーに選ばれた岡本。稲葉監督は会見の場で、巨人の主砲に育ちつつある岡本に対して期待するところも語っている。「(昨年は)数字を残しましたけど、今年はもっともっと評価される大事な年になる。ここを乗り越えて、ジャパンに入ってほしいという思いもある。昨年、日米野球を戦って、今年も春、集めることで、ジャパンに対しての意識を強めてほしいという願いも込めて呼びました」。

 昨季、巨人で4番を務め、史上最年少で「3割30本100打点」を記録した岡本。秋の「プレミア12」や来年の東京五輪に向けて戦力となるだけでなく、まだ22歳と若いだけに長く侍ジャパンを支える主砲となれる存在だ。稲葉監督は期待も込めて、もっともっと“日の丸”に対しての想い、貪欲さを持ってほしいと願った。

 若いメンバー構成で挑むメキシコとの2試合。新戦力の“テスト”と国際経験の場と位置付けられるが、その一方で、侍ジャパンには常に勝利が求められる。その中でチームの“主砲”として期待される岡本和真はどんな活躍を見せてくれるだろうか。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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