昭和初期の旧グラバー住宅 大食堂の写真発見

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 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「旧グラバー住宅」(長崎市南山手町)の一室を、昭和初期に撮影した古写真が見つかった。「大食堂」として展示している部屋で、英国商人トーマス・グラバーの息子倉場富三郎が居住していたころの1枚。同住宅の当時の室内写真はほとんどなく、グラバー家の生活の様子を伝える貴重な資料だ。これまでの展示は居留地時代の華やかなパーティーの様子を再現していて今回の写真と差異があり、専門家は展示内容の見直しの必要性も指摘している。
 グラバー園学芸員の松田恵さんが昨秋、園内の倉庫で見つけた古いアルバムの中の1枚。「昭和6年1月15日仕上げ」というメモが添えられており、同年(1931年)の現像と考えられる。松田さんによると、同住宅に関する古写真は大半が建物の外観。「大食堂」の古写真は、今回初めて確認された。
 グラバーは11年に死去しており、撮影時期の31年ごろは倉場が妻ワカと居住。古写真はじゅうたんや壁紙、暖炉や家具などが写っていて、当時の暮らしぶりの一端が分かる。また伊藤博文ら長州藩の若者5人「長州ファイブ」の写真が壁に飾ってあり、グラバーと長州藩の関係もうかがわせる。
 松田さんは「古写真を見る限り、昭和初期の段階では家族の憩いの場だったようだ」と指摘する。
 古写真に詳しいグラバー園保存活用検討委員会副委員長の姫野順一長崎外国語大特別任用教授は「不明だった住宅内部が詳しく分かる写真。展示は史実に基づき再現するのが望ましい」としている。

昭和初期に撮影したとみられる旧グラバー住宅「大食堂」の古写真。天井の照明器具の奥に「長州ファイブ」の写真が飾られている(グラバー園提供)
豪華なパーティーを再現している「大食堂」の展示(グラバー園提供)