東海第2 再稼働の意向伝達 原電社長、茨城県と2市村に 知事は「不快感」

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大井川和彦知事(右)に東海第2原発を再稼働する意向を伝える日本原子力発電の村松衛社長=県庁

日本原子力発電(原電)の村松衛社長は22日、大井川和彦茨城県知事と東海村の山田修村長、水戸市の高橋靖市長とそれぞれ面会し、東海第2原発(同村白方)の再稼働を目指す意向を伝達した。原電は今後、安全対策工事の準備を本格的に進める。ただ、半径30キロ圏に住む約96万人の広域避難計画は策定の見通しが立っておらず、周辺6市村に拡大された地元同意が得られるかは見通せない。再稼働の時期について、村松社長は「まだとても言える段階にない」と明言を避けた。

同原発は昨年11月、原則40年を超える最長20年の運転延長認可を受けるなど再稼働に必要な審査に合格したが、原電は再稼働の意向を表明していなかった。14日の取締役会で表明について了承されたという。

村松社長は同日午前、県庁に大井川知事を訪ね、同原発の安全対策工事の詳細内容に一定のめどが付いたこと、周辺6市村と結んだ新安全協定に加え今月に30キロ圏内の残り8市町とも新たな協定を締結したことを報告し、「一定の条件が整った。自治体と地域住民のしっかりしたご理解を賜りながら再稼働を目指していきたい」と述べた。

これに対し、大井川知事は「県独自の原子力安全性対策委員会は引き続き検討しており、その結論を得ない段階での表明は若干不快感を感じざるを得ない」と厳しい表情で語り、原電に県民の理解を得るための努力を求めた。

村松社長はその後、山田村長と高橋市長に面会し、再稼働の意向を伝達。山田村長は「安全対策工事を進めることが直接再稼働に結び付くとは考えていない」とくぎを刺し、30キロ圏で最多の人口を抱える高橋市長は、広域避難計画策定の難しさを村松社長に説明した上で、「『再稼働したい』と言われて『はい、そうですか』とは答えられない。市民の理解のない再稼働は認められない」と語った。

新安全協定を結ぶ残り4市は「6市村の枠組みでないと応じられない」などとして原電の面会を断った。原電は後日、6市村長でつくる原子力所在地域首長懇談会の会合で、再稼働の意向をあらためて表明する。

原電は今後、津波を想定した防潮堤(高さ20メートル、全長1.7キロ)の建設など安全対策工事の着工に向け準備を本格化させる。約1740億円の工事費は東京電力と東北電力から支援を取り付けた。工事完了は21年3月の予定で、再稼働は仮に地元の同意を得られたとしても、これ以降になる。(三次豪)

★東海第2原発

発電出力110万キロワット。国内初の100万キロワット超えの大型原発で、1978年11月28日に営業運転を始めた。東日本大震災では津波で非常用発電機3台のうち1台が使用不能になった。その後は一度も運転せず定期検査に入り、停止している。