王者川崎、ドロー発進も「例年の出来」とは違う!? 手応えを口にした中村憲剛

川崎のバンディエラ、中村憲剛 photo/Getty Images

王者・川崎フロンターレは23日、明治安田生命J1リーグ第1節でFC東京と対戦。ホームで行われた今季初の多摩川クラシコは、FC東京の粘り強い守備を最後まで攻略することができず、川崎の新シーズン初戦は0-0のスコアレスドローに終わった。

後半の立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛け、立て続けに決定機を作るも、ゴールネットを揺らすことができなかった川崎。自身も54分に、相手のパスミスからGKと1対1の場面を迎えたが、好セーブに阻まれてしまった中村憲剛が、試合後のインタビューで「前半は向こうにもチャンスがあったが、後半は僕らにもチャンスがあった。自分たちが決めてれば間違いなく勝っていたゲームだと思う。僕を含めて外しましたし、そこは反省材料。悔しい引き分けです。開幕戦というピリッとしたゲームは、1点が勝負を分けると思う。後ろが0点に守ってくれただけに、あそこで決めなければならなかった。何年やっても課題は一緒。外せば、決めないとと思う」と悔しさをにじませた。

さらに「試合は内容で言えば、前半は後手を踏むことが多かったが、後半しっかりと自分たちが(ボールを)握ることを始めてからは、かなり得点の匂いはしていた。そこで決めるか、決めないかだけだと思う。そういう意味では、やるべきことは続けないといけないし、質をより高めなければならない。そういう試合だった」と試合を振り返っている。

現在Jリーグ連覇中の川崎だが、近年は序盤戦で苦戦を強いられてきた。中村も「例年の開幕戦は、もっとゲームにならない。自分たちが描いているゲームができないまま終わっているイメージがあった」と明かしている。ただ、勝利こそ逃したものの、今季はここまでのチーム作りに少なからず手応えがあったようだ。「そういう意味では見えるものはかなりあった。自分たちでやるべきことをやれば、こういうゲームができるというのを改めて再確認できた。去年や一昨年よりもマシだと言えばマシだが、結局勝ち点1。ただ、チームとしてかなり整理はされている。やり方を変える必要は全くないと思う。あとは、マギーニョや(レアンドロ・)ダミアンら新しい選手をどう組み込んでいくか」と述べた。

新たな得点源と期待の元ブラジル代表FWL・ダミアン。この試合ではシュート打てなかったが、同選手についても「ゼロックスで見せてもらったように、高さや強さはある。どうやってスペースを見つけて、彼を使っていくかというのは、ダミアンもそうですし、僕らも考え方を精緻していかなければならないところもある。ただ、彼が真ん中のところでポストをやってくれるシーンはチャンスになる。相手が真ん中のところに寄ってくれて、サイドも空くので。そういうのをもっともっと能動的にやれればもっと良くなる。こればっかりは、いろんな相手と(試合を)消化していかなければ見えないものもあると思う。僕らも期待しているところはありますし、まだまだこんなもんじゃない。良さを引き出せるように、考えていかないといけない」と話している。

試合を重ねるごとに、チームとしての完成度を増していく近年の川崎。中村が述べたように、今季のチームもまだまだ修正点や課題は多く発展途上だ。これまでの魅惑のパスサッカーに、新戦力との融合と、今後のさらなる成長に期待したい。

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