近代美術館(モマ)が選んだ革新的なノンフィクション

「DOC フォーナイト2019」

©Yomitime Inc.

ニューヨーク近代美術館(MoMA:以下モマ)で2月21日(木)から28日(木)まで、映画祭「DOCフォーナイト2019」が開催される。18回目を迎え、モマが選んだ革新的で傑出したノンフィクション・フィルムを紹介する。

オープニングは、フランス生まれで現在ニューヨークを拠点に活動する若手アーティスト、プリュンヌ・ヌーリーのドキュメンタリー「セレンディピティ(Serendipity)」。31歳の時に乳ガンと診断されたヌーリー。自身の体験を軸に、アートがいかに彼女を癒し、精神的な助けとなったのかを描く。

「セレンディピティ」Serendipity. 2018. USA. Directed by Prune Nourry. Courtesy Credit Léa Crespi

パフォーマンス・アーティストのエリザベス・スティーブンスと、元ポルノ女優で性教育者のアニー・スプリンクルが制作した「ウォーター・メイク・アス・ウェット:エコセクシャル・アドベンチャー(Water Makes Us Wet―An Ecosexual Adventure)」。プライベートでもパートナーのエリザベスとアニーは、「エコセクシュアリティ」の提唱者。「母なる地球(Mother Earth)」を、「恋人としての地球(Lover Earth)」と捉え、「自然を恋人と定義し、地球とセックスすることで自然環境を守る」ことを理念に活動する。

映画で2人は愛犬ブッチを連れ、車でカリフォルニア州を旅する。行く先々で出会った芸術家や学者、労働者、科学者など様々な人々が水や自然について持論を展開。水の大切さ、生命、愛の力を再認識させるロードムービー。

「ウォーター・メイク・アス・ウェット:エコセクシャル・アドベンチャー」Water Makes Us Wet—An Ecosexual Adventure. USA. 2017 Annie Sprinkle, Beth Stephens. Courtesy the filmmakers

同時上映に、映像作家でアーティストのキース・ウィルソンの短編「ツリー(The Tree)」が登場。クリスマスのためだけに切り出される小さな木の「生涯」に関するドキュメンタリーだ。西洋文化の無駄な一面を批判、一時的な「商品」ではなく、尊敬に値するものとして捉え、自然への配慮と思いやりを提案する。

当日は、エリザベス・スティーブンスとアニー・スプリンクル、キース・ウィルソンに加え、大勢の友人によるプレゼンテーションが予定されている。

イタリアからステファノ・サヴォーナ監督の「サモウニ・ロード(Samouni Road)」。ガザ市郊外の小さな村で結婚式が行われようとしている。イスラエル軍によるガザへの攻撃で、家や家族、親族を失って以来、初めての祝い事だ。映画はモノクロのアニメーションと実写、ドローン映像などを組み合わせ、現在も続く紛争と、そこに住む人々の強さを映し出す。

「サモウニ・ロード」Samouni Road. 2018. Italy/France. Directed by Stefano Sevona. Courtesy Doc & Film International

全上映リストは、オフィシャルサイトで。

Doc Fortnight 2019
■2月21日(木)~28日(木)
■会場:The Roy and Niuta Titus Theaters
 @MoMa:11 West 53 St.
■映画鑑賞のみ:
 大人$12、65歳以上$10、学生$8
moma.org

よみタイム 2019年2月22日号 掲載