廣中(長崎商高)V2 クロスカントリー日本選手権

 陸上の日本選手権クロスカントリーは23日、福岡市の海の中道海浜公園クロスカントリーコースで行われ、U20女子(6キロ)は廣中璃梨佳(長崎商高)が19分56秒でV2を飾った。

 U20女子は127人が出走。廣中はスタートから先頭に出て集団を引っ張り、3キロ付近から独走態勢を築いた。強い風を受けながらのレースで、タイムは昨年より6秒遅かったが、2位に6秒差をつけて快勝した。

 長崎県勢はこのほか、シニア男子(10キロ)の鬼塚翔太(東海大、志佐中出身)が29分55秒で6位、同女子(8キロ)の岡本海愛(諫早高-資生堂)が27分34秒で9位に入った。

 シニアの男子は坂東悠汰(法大)が29分36秒、女子は田中希実(ND28AC)が26分43秒、U20の男子(8キロ)は葛西潤(大阪・関西創価高)が23分48秒でそれぞれ制した。

 男女ともU20、シニアの6位以内から、世界クロスカントリー選手権(3月30日・オーフス=デンマーク)の日本代表が選考される。

 ■果敢に攻め独走 次は世界に挑戦

 長崎商高のユニホームとトレードマークの青紫色の帽子で走るラストレース。廣中は圧巻のトップゴールで有終の美を飾った。これで今季は、秋以降に出走した全国大会で外国人以外負けなし。春から実業団ランナーとなる18歳は「3年間、いろんな人に助けられて成長できたおかげ」と感慨深げだった。

 初出場で優勝した昨年のレース。様子を見ながら先頭集団につき、残り約1キロでスパートしてライバルたちを突き放した。あれから1年、国内外の各種大会を経験して迎えたこの日。「強気で先頭を引っ張って勝つ」。1年前とは違う意識でスタートラインに立った。

 その思い通りに最初から果敢に攻めた。強い風が吹き付ける中の激しいアップダウンで、いつもの力強い走りを披露。一人旅となった後半を「残り1キロで脚にきてペースを上げられなかったのは心残り」と自らに厳しく振り返ったが、最後まで強さは際立っていた。

 2月上旬、豪州で行われた日本陸連のU20長距離合宿に参加。海外勢と一緒にハイレベルな練習をこなして、また、視野が広がった。「世界クロカンで海外勢と勝負してみたい」。選考会を兼ねた今大会は、その新たな舞台へ挑むための通過点でもあった。

 「代表に選んでもらえたら、最初から積極的な走りをしたい」。3年間の成長の跡を示したレースは、世界での活躍を予感させるレースにもなった。

【U20女子6㌔】「V2」をアピールしながらフィニッシュする廣中(長崎商高)=海の中道海浜公園クロスカントリーコース

© 株式会社長崎新聞社