秘められた京の美を訪ねて。京都最大級の仏様を祀る「転法輪寺」

何度訪れても新鮮な魅力に出会える京都。桜色の華やかな春、紅葉が鮮やかな秋も魅力に溢れますが、どこも人でいっぱいで少々落ちつかないもの。

ゆったりと京都を旅したい人にオススメなのが観光客が減るシーズンの冬。情緒あふれる街並みや寺院は静寂に包まれ、心も一層浄化されます。

JRグループや京都市・京都市観光協会などが共同で開催している京都デスティネーションキャンペーンでは、普段は拝観することができない障壁画、庭園や仏像などを特別に公開する「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」を実施。

第53回となる今年は「京都にみる日本の絵画〜近世から現代〜」がテーマ。15寺院で貴重な文化財を鑑賞することができます。

今回はそのなかの一つ、「転法輪寺」をご紹介しましょう。

「京の冬の旅」初公開の転法輪寺

京都市右京区。仁和寺の東隣に佇む「転法輪寺」。普段はご住職やご家族、檀信徒の方々によってお守りされているお寺を特別に公開。

宝暦8年(1758年)、関通上人によって北野下の森の地に創建。その後、阿弥陀如来にふさわしい西方の地を求めて、昭和2年に現在の御室に移転されました。入り口では巨大な鐘楼と楼門が一つになった「鐘楼門」がお出迎え。

京都最大級の仏様

本堂には本尊・阿弥陀如来坐像が鎮座。江戸時代に桜町天皇追福のために造られたと伝えられています。像高は約7.5mもあり京都最大級の大きさなのだそう。

拝観時にはガイドからのお話を聞くことができます。歴史に普段馴染みがなくても楽しく学べるのが魅力。

リアルな描写に目を奪われる涅槃図

同じく本堂に祀られている「釈迦大涅槃図」。宝暦14年(1764年)に描かれたと言われ、平成28年に修復。

涅槃図とはお釈迦様が入滅(お亡くなりになる事)した時の様子を表したもの。この「釈迦大涅槃図」では、最後の時を迎えるお釈迦様の周りで悲しむ家族や弟子、さらに動物や昆虫までが細かく描かれています。

注目すべきは、江戸時代の絵師たちは実物を見たことがないはずの、白象や豹、ラクダなどの猛獣類がリアルに描写されていること。

どのように絵師たちが緻密に表現したのか、その古の感性に感銘を受けてやみません。

本堂の裏堂に祀られている、裸のままの姿が珍しい「裸形阿弥陀如来立像」。天智天皇の誕生にまつわる説話から安産守護のご利益があるのだそう。神々しくも穏やかな表情に心が癒されます。

京都最大級の仏様や緻密に描かれた涅槃図を祀る「転法輪寺」。この冬だけしか鑑賞できない特別な文化財をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか?

転法輪寺

住所: 〒616-8007 京都府京都市右京区龍安寺山田町2

電話番号:075-213-1717(京都市観光協会 10:00〜18:00)

アクセス:京都駅から市バス26系統で「御室仁和寺」下車、徒歩約5分

特別公開期間:1月10日~3月18日 10:00~16:30(16:00受付終了)※2月24日は13:00からの公開

京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」

https://www.kyokanko.or.jp/huyu2018/

『【特集】心が浄化される、冬の京都へ』では、このほかにも冬の京都の魅力をたっぷりお伝えしています。あわせてぜひ。

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