日本の「球数制限」議論に米メディアも関心 松坂、斎藤佑、吉田輝の例も紹介

昨夏の甲子園で881球を投じた日本ハム・吉田輝星【写真:荒川祐史】

甲子園で多くの球数を投げた松坂、斎藤佑、吉田輝らの名前も上がる

 日本高等学校野球連盟(日本高野連)が「球数制限」について審議したことが、米国でも注目を浴びている。「AP通信」は「日本の野球関係者が投球制限について議論する」とのタイトルでレポートした。

 高野連は20日に開いた理事会で、新潟県高野連が発表した「今年春の県大会での投球数制限の実施」について審議。春季県大会からの実施については、新潟県高野連に「再考」を申し入れることを決めたが、「AP通信」はこの動きについて「日本のアマチュア野球では高校生の怪我防止を目的とした投球制限の導入に関する議論を進めている」と伝えている。

 記事では「毎年8月に開催され、ほぼ間違いなく日本で最も人気のあるスポーツイベントである夏の高校野球では、(マラソンのような)長時間の登板が長い間夏の風物詩となっている」と指摘。その一方で、DeNAの筒香が1月下旬に日本外国特派員協会で開いた記者会見で日本球界が抱える問題点について語り、その中に球数制限についての発言が含まれていたことも紹介している。

 そして、1つのサンプルとして松坂大輔投手(現中日)の甲子園での投球が挙げられている。その上で「彼はボストン・レッドソックスに所属していた2011年にトミー・ジョン手術を受けた」と指摘。また、「コウセイ・ヨシダは昨年の大会で6試合に登板し881球投げた。ユウキ・サイトウは1大会で948球投げた記録がある」と、日本ハムの斎藤佑樹投手、吉田輝星投手が夏の甲子園1大会で投じた球数にも触れている。

「日本のプロ野球でさえ、球数制限は厳格に守られておらず、完投することが高く評価されている」。記事では米球界との違いをこのように伝えつつ、「日本高校野球連盟は猛暑の中で行われる夏の大会期間中、選手を守るためにいくつかの対策を講じている」とも言及。延長戦は15回までとなり、準々決勝の後に休養日が設けられるようになったことなど、近年の甲子園の“変化”も紹介した。

 今後、日本の高校野球はどのように変わっていくのか。その行方に注目が集まっている。(Full-Count編集部=AP)

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