カージナルスが好打者・マルティネスと2年契約

トレード放出の可能性も取り沙汰されていたカージナルスの好打者ホゼ・マルティネスだが、チームはマルティネスが自軍に必要な戦力であることを示すため、マルティネスに異例の2年契約を与えた。この契約により、マルティネスは契約ボーナスも含めて325万ドルを得る見込みだが、マルティネスはまだ年俸調停権すら取得しておらず、カージナルスはマルティネスの「年俸調停権取得前の最後の1年」と「年俸調停1年目」の契約を買い取ったことになる。通常の年俸調停のプロセスを経た場合よりも高い金額をマルティネスに保証することにより、チーム随一の好打者への高評価を明確にしたようだ。

今オフ、カージナルスはマルティネスのトレード放出を模索していた。ポール・ゴールドシュミットの加入やデクスター・ファウラーの戦列復帰により、マルティネスのレギュラーポジションがなくなり、余剰戦力となっていたためだ。日本の球団へ放出することも検討されていたようだが、あらゆるオファーを検討した結果、カージナルスはマルティネスを自軍にキープしておくのがベストであると判断。ファウラーが本来のパフォーマンスを取り戻すことができなかった場合に備え、マルティネスは控え外野手兼一塁手としてベンチでスタンバイすることになる。

昨季のマルティネスは打率(.305)と安打数(163)でチームトップの数字を記録。代打では打率.408という驚異的な高打率をマークした。2016年9月にメジャーデビューしたあと、メジャーでは通算270試合に出場して打率.309と持ち前の好打を遺憾なく発揮しており、ベンチに置いておくには勿体無い存在である。レギュラーとして打率3割を期待できる打者がベンチに控えていることは、カージナルスの選手層の厚さを示すとともに、マイク・シルト監督にとっても心強いはずだ。

なお、カージナルスは一塁手のゴールドシュミット、左翼手のマーセル・オズーナが今季限りでフリーエージェントとなるため、来季はマルティネスにレギュラーポジションが与えられる可能性が高い。マルティネスは「どんな立場でも、チームの勝利を手助けするためにプレイするだけさ」と今季への意気込みを口にした。

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