マレーシア、中、韓の学生 長崎で非核化への意見発表 「メディアは歴史や被爆の影響伝えるべき」

 昨年11月に開いた「核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」に参加したマレーシア、韓国、中国の学生ら計17人による意見発表会が24日、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市平野町)であった。学生はインターネット中継で各国から参加し、非核化に対する考えや取り組みを発表した。
 同館が主催する「アジアの若者による平和ネットワーク構築プログラム」の一環。2010年度から毎年度、アジアの学生を本県に招いて被爆の実相を伝えている。
 マレーシア・マラヤ大のヌー・アキラさんは地球市民集会でメディアの重要性を認識。「『ヒバクシャ』という言葉もほとんどの国では知られていない。メディアは歴史や被爆の影響をもっとしっかり伝えるべきだ」と強調した。
 韓国・プギョン大のジョン・ジェヒョンさんは世界中が朝鮮半島の非核化に期待していると述べ「非核化は全ての国家が一つになって行動しなければならない。(地球市民集会のような)交流会がもっと必要だ」と語った。
 中国・山東大大学院の劉暁彤さんは帰国後、大学で核廃絶についてセミナーを開催。「私たちが行動することが大事だ」と話した。
 質疑応答では、マレーシアと韓国の学生が中国の学生に「中国は核保有国だが、核兵器は自衛のために必要だと思うか」と質問。中国の学生は「核兵器があるからといってすぐに使うわけではない。時間はかかると思うが核兵器は最終的になくなると思う」と答えた。また、ベトナムで開催予定の米朝首脳会談について中国国内での受け止めを問われ「中国にとっても朗報。中国も一役買っている自負がある」と話した。
 同館では市民ら約15人が熱心に学生の発表に耳を傾けた。

インターネット中継で意見を発表する中国の学生=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

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