強打者加入のカージナルス 脅威の上位打線形成なるか

日本時間2月25日に行われたナショナルズとのオープン戦において、今季からカージナルスに加入したポール・ゴールドシュミットは「3番・一塁」で新天地デビューを果たした。マイク・シルト監督は、選球眼に優れ、相手投手に多くの球数を投げさせることのできるマット・カーペンター、デクスター・ファウラー、ゴールドシュミットの3人をこの順に一番から三番まで並べ、その後ろにマーセル・オズーナ、ポール・デヨングというポイントゲッターを置いて、相手投手にとって脅威となる上位打線を形成することを目論んでいるようだ。

シルトは自身の打順構想について「面白いと思わないかい?」と自画自賛。「この打順は誰が見ても面白いと思うんだ。我々にとっても、選手たちにとっても、あなたたち報道陣にとっても、そして間違いなくファンにとっても(面白いと思う)」とシルトは語ったが、この打順を面白く思わないのは、おそらく対戦する相手投手のみだろう。

一番から三番まで並ぶカーペンター、ファウラー、ゴールドシュミットの3人は、球界でも有数の「辛抱強い打者」として知られている。2017年には1打席あたりの球数で、カーペンターがメジャー2位、ファウラーが同4位、ゴールドシュミットは同13位タイにランクイン。実際、この日行われた試合でも、ナショナルズ先発のエリック・フェッディに対して初回にこの3人だけで11球を投げさせた。「僕たち3人と対戦するのは相手投手にとってタフなことだと思うよ」とファウラーは語る。

もちろん、この打順が機能するかどうかは、昨季打率.180の大不振に陥ったファウラーの復調次第である。ファウラーが引き続き不振に苦しむようであれば、ゴールドシュミットが二番、デヨングが三番に繰り上がる打順を採用することも考えられる。しかし、ファウラーが辛抱強く出塁率の高い打者、デヨングが積極的に打ちにいくポイントゲッター型の打者であることを考えると、ファウラーが二番に収まる形が理想だろう。

通算出塁率.360を誇るファウラーが復調すれば、カージナルス打線が相手投手の脅威となることは間違いない。今季のカージナルスの攻撃力のカギを握っているのはファウラーであると断言しても、決して過言ではなさそうだ。

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