フィリーズのカイケル&キンブレル獲得 現在の価格では不可能か

ブライス・ハーパー争奪戦において先頭を走っていると見られるフィリーズは、ハーパー同様に契約先が決まっていないダラス・カイケルとクレイグ・キンブレルを獲得する可能性のあるチームの1つに挙げられている。先発左腕と絶対的クローザーを必要とするフィリーズにとってカイケルとキンブレルは理想的な存在であり、豊富な資金力も有しているからだ。しかし、MLB公式サイトでフィリーズの番記者を務めるトッド・ゾレッキーによると、フィリーズは価格が下がらない限り、両投手の獲得に動くつもりはないようだ。

一時はハーパーとマニー・マチャド(パドレス)の両獲りすら目指していたフィリーズは、ハーパー獲得に成功した場合でも、カイケルとキンブレルを獲得するに足る資金を有していると見られている。ところが、ゾレッキーは関係者の話として、「両投手が希望条件を引き下げなければフィリーズが獲得に動くことはない」と報じており、フィリーズがカイケルやキンブレルに大型契約を与える可能性を否定。あくまでも、両投手の希望条件が適切な価格まで下がった場合にのみ、獲得に動く方針だ。

ただし、ゾレッキーは「フィリーズの考えが今後も変わる可能性がないというわけではない」とも伝えており、ハーパー獲得に失敗した場合には補強の方針が大きく変わる可能性があることを示唆。フィリーズがハーパーを獲得できず、打線のグレードアップに失敗した場合、カイケルやキンブレルを獲得することによって投手陣をグレードアップさせ、チーム全体の戦力アップを目指す可能性があるという。

いずれにしても、カイケルやキンブレルが「ハーパー待ち」の状況であることは間違いない。フリーエージェント市場に残る有力選手たちが、ハーパー獲得を目指すチームが争奪戦に敗れた場合の「ハーパー用資金」を当てにしていることは否定できない事実であるように思われる。ハーパーの契約が決まり次第、停滞気味のフリーエージェント市場は一気に動き出すことになりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.