北陸新幹線のトンネル工事を中断

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北陸新幹線の「深山トンネル」の工事現場。2月16日から工事は中断している=1月、福井県敦賀市

 ラムサール条約に登録されている福井県敦賀市の中池見湿地の一部を通る北陸新幹線の「深山トンネル」の掘削工事で、掘削土から国の環境基準を超えるヒ素が検出され、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が2月16日から工事を中断している。

 同機構は「掘削残土の受け入れ側との協議のため中断した。処分方法を検討中」とし、現時点で工期に影響はないとしている。

 同機構によると、トンネルの坑口から約20メートル掘削を進めた箇所で採取した残土から15日、国の環境基準(検液1リットル当たり0.01ミリグラム)を超える0.032ミリグラムのヒ素を検出した。元々存在していた自然由来のものという。トンネルの掘削土は土壌汚染対策法の適用外で、届け出や汚染対策などは必要ない。ヒ素の検出値もトンネル坑内の湧水の水質分析では基準以下といい「地形的に湧水が湿地へ流出することはない。掘削に伴う地下水への影響もない」としている。

 トンネルを建設する深山は湿地東側のラムサール条約登録範囲内にあり、湿地に流れる地下水の水源の一つとなっている。トンネルは全長768メートルで、1月中旬から掘削工事を開始。2020年夏か秋頃の完成を予定している。