【MLB】菊池雄星、メジャーデビューまでの課題3か条「今はまだ距離がある。そこを詰める」

マリナーズ・菊池雄星【写真:田口有史】

26日レッズ戦でOP戦デビュー、2イニング登板予定

 マリナーズの菊池雄星投手が25日(日本時間26日)のレッズ戦でオープン戦デビューする。OP戦初登板は30球前後で、2イニングを想定。この日はマウンドから17球を投げて最終調整し、「いい調整がここまでできてますので、すごく楽しみです」と心待ちにした。

 花巻東時代から憧れたメジャー打者との対戦。この日、報道陣の取材に応じた左腕は素直に喜びを表現すると同時に、メジャーデビューまでに自身が乗り越えるべき課題を挙げた。この日、最も熱い口調で切り出したのは捕手との呼吸合わせ、投球の“自己主張”だ。

「やっぱり意思疎通というか。捕手が感じる僕の良さと僕が感じる自分の長所は、たぶん今はまだ距離があると思う。そこを詰めていく」

 米国入り後はスプリングトレーニング前からブルペン入り。マ軍捕手陣は菊池の球種を把握しているとはいえ、試合展開や勝負どころで生きている球や投げたい球種の把握はこれからだ。菊池は「特に2ストライクに追い込んでからは自分が想定しているものと捕手が考えているのは変わってくる」と具体例を挙げ、「首を振ることも当然あると思います。そういう調整をしていきたい」と自らを積極的に売り込んでいくつもりだ。

 2つ目はイニング間の調整だ。メジャーではイニング間にベンチ前などフィールドでキャッチボールをすることは許されていない。日本人投手の誰もが必ず直面する課題だ。

「日本だとベンチサイドでキャッチボールもできますけど、そこら辺は確かに工夫が必要だと思いますね。明日いろんなことを聞きながら、いろんな選手にどんな調整をしているのかを聞きながら対応していきたいと思います」

 菊池が憧れるドジャース・カーショーはイニング間にバスタオルで肩肘をグルグル巻きにして体を冷やさないようにしている。花巻東の後輩、エンゼルスの大谷翔平はベンチ裏での「壁当て」や、ウィンドブレーカーを着込んで手の平サイズの重いトレーニングボールを使っていた。菊池がメジャーでどのような調整をするかはポイントの1つとなるだろう。

 3つ目はストライクゾーンの確認だ。これまでライブBPのみでチームメートへの投球。敵打線だからこそ内角への際どいコースへ投げられ、メジャーと日本の審判のとり方の違いも把握することができる。菊池は「ストライクゾーンもそうです」と言い切った。

 過去の日本人投手はマウンドの傾斜や硬さなどの対応に苦しめられてきたが、ここまで左腕には不安はない様子だ。菊池本人が「実戦も少ないですし、開幕まで3試合ぐらいしか投げられないまま(シーズンに)入るという意味では日本とは違います」と話すように、メジャーデビューが期待されている3月20、21日のアスレチックスとの開幕2連戦への時間は決して多くない。「しかも1年目。とにかく今持っているものを全部出して。その中で気づくことがたくさんあると思うので。開幕したと想定しながら今の自分のベストを出したい」と全力で仕上げていくつもりだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2