原子力機構 核燃サイクル放射性物質漏えい 作業ミス、袋に穴か 汚染検査行わず

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日本原子力研究開発機構(原子力機構)核燃料サイクル工学研究所(東海村村松)の放射線管理区域内で1月、核燃料物質が漏れた問題で、原子力機構は25日、原因について作業員が核燃料物質入りの貯蔵容器を包む樹脂製の袋に、誤って穴を開けた可能性が高いと発表した。手順通りに袋の汚染検査を行わなかったことで汚染が拡大したとも説明。原子力機構は再発防止策を取りまとめ、作業手順の改定などを進める方針を示した。

原子力機構の取り組みを確認する文部科学省特命チーム会合で、児玉敏雄理事長らが報告した。

同省によると、原子力機構の検証試験や作業員からの聞き取りの結果、作業員が密閉された設備「グローブボックス」から貯蔵容器を袋に入れ、熱で溶かし密閉する際、機器に袋が引っ掛かって直径約5ミリの穴ができたという。

原子力機構の聞き取りに作業員は「接触を認識していなかった。ぶつけた記憶もない」と説明したというが、穴の状態から引っ掛けた可能性が高いとした。

また、作業員は貯蔵容器を1枚目の袋で包んだ後、汚染検査する必要があったが、検査せずに2枚目の袋を包む場所へ運んだ。原子力機構は、作業の手順違反があったと分析。同省担当者も「検査の省略で汚染が拡散した」とした。

原子力機構は作業手順の徹底に加え、袋を交換する際、容器表面の拭き取り作業を義務化するなど、仮に袋に穴が開いても空気汚染が起きない作業環境の実現を、2カ月以内に終える方針も説明した。

漏えいは1月30日、「プルトニウム燃料第二開発室」粉末調整室で、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料入りの貯蔵容器をグローブボックスから取り出した際、漏えいを検知する警報が鳴った。室内の作業員9人に被ばくはなかった。(高岡健作)