「第五の被爆者2」発刊 全国被爆二世団体連絡協など 核被害を国民的課題に

 全国被爆二世団体連絡協議会と原水爆禁止日本国民会議は被爆2世、3世の援護改善に向けた活動を紹介する書籍「第五の被爆者2」を発刊した。活動を広く知ってもらい、核被害の問題を国民的課題に押し上げる狙い。
 同協議会は、2、3世は原爆放射線の遺伝的影響を否定できない核被害者であるとし、被爆者援護法に直接被爆者や入市被爆者などに続く「5号被爆者」として加えるよう求めている。
 同書は、2008年に発刊した「第五の被爆者」以降の活動などを主に掲載した。被爆2世が長崎、広島両地裁で係争中の集団訴訟を巡る動きや、協議会が国連人権理事会に訪問団を派遣したことを紹介。協議会が昨年春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に派遣した代表団の成果として、被爆2世の人権保障と核廃絶を訴えたことなどを記している。
 協議会が調査した全国各自治体の被爆2世援護に関する対策の一覧表なども盛り込んでいる。協議会の崎山昇会長(60)は「協議会の取り組みは原爆の被爆2世だけでなく、チェルノブイリ原発事故やマーシャル諸島の核実験など世界の核被害者の問題解決につながる。多くの人に協議会の取り組みを知ってほしい」と話した。
 2千部を自費出版。A5判、227ページで税抜き800円。購入希望者は崎山会長(電090.2519.2066)。

「第五の被爆者2」を紹介する崎山会長=長崎市役所

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