日帰り入浴施設もある、フランスの天然温泉ヴィシー

©株式会社オンエア

(c)minacono

フランスに点在する天然温泉の中には、温泉目的で宿泊や入浴ができる施設が整っている温泉地があります。日本人の温泉に対する感覚とは少し違い、古くからの習慣である治療や療養目的での利用が多いようですが、最近では少しずつ美容や健康目的でリゾート化している動きもあるようです。今回はフランスの天然温泉のひとつ、フランス中央部にあるヴィシーという町を紹介します。

歴史あるヴィシーの町

ヴィシーの温泉地としての歴史は古く、紀元前のガロ・ロマン時代から天然温泉が確認されていて、療養地となっていたそうです。17世紀のルネッサンス全盛期には、フランス貴族のセヴィニエ侯爵夫人が、手の神経麻痺の療養のためにヴィシーの温泉水を利用したところ見事に回復。たちまちヴェルサイユの貴族たちの間で噂になり、ヴィシーでの湯治ブームが起こったのだとか。

(c)RossHelen / Shutterstock.com

第二次世界大戦中には、ドイツ軍にパリを占領されたフランス政権が、この街に移りヴィシー政権を発足しました。その前から湯治場として人気のあったヴィシーには宿泊施設がたくさんあり、大人数を収容する建物が多く確保できたため、ヴィシーが選ばれたそうです。現在も街を歩くと、歴史ある建物を多く目にします。

水道の蛇口から天然温泉?

(c)minacono

ヨーロッパでは、温泉治療のひとつとして知られる飲泉。専門医により、体調によって飲泉を処方してもらえるそうです。ヴィシーには、観光客でも無料で飲泉できる「温泉ホール(Hall des Sourcesアールデソース)」という施設があります。

(c)minacono

中に入ると、温泉の種類別に蛇口があるので、自分で蛇口から温泉を汲んで自由に飲むことができます。興味のある方は、紙コップかペットボトルなどを持参することをお勧めします。気になる味は・・・ちょっと炭酸を感じるような、強い酸味のする水でした。

Hall des Sources(アールデソース)

【住所】7 Avenue du Général Dwight Eisenhower, 03200 Vichy

【アクセス】ヴィシー駅から徒歩10分。

温泉施設にはプールのほかに足湯やサウナも

(c)Leonard Zhukovsky / Shutterstock.com

ヴィシーには、怪我などの治療目的以外でも、健康や美容のために利用できるスパ施設がいくつかあります。5つ星ホテル「ヴィシー・セレスタン・スパホテル(Vichy Célestins Spa Hôtel)」は、日帰りの利用も可能。天然温泉に浸かれるプールのほか、足湯や数種類のサウナも整備されています。

【公式サイト(英語)】ヴィシー・セレスタン・スパホテル(Vichy Célestins Spa Hôtel)

【住所】111 Boulevard des États Unis, 03200 Vichy

【アクセス】ヴィシー駅から徒歩15分。車で約5分。

スキンケア製品も見逃せない

(c)Nada Sertic / Shutterstock.com

ヴィシーの温泉水には、肌を美しく保つために必要な15のミネラル成分と栄養素が含まれているそうで、その温泉水を使ったスキンケアブランド「Vichy(ヴィシー)」も人気です。乾燥肌やオイリー肌用の商品のほか、アンチエイジングや男性用スキンケアまでいろいろな商品があります。

故郷の味を懐かしんで考案された「ヴィシソワーズスープ」

(c)minacono

日本でもその名が知られる、冷製ポタージュスープ「ヴィシソワーズ」。フランス語で「ヴィシーの」という名のこのスープは、1917年にニューヨークのリッツカールトンホテルに勤めていたヴィシー出身のシェフが、幼いころに母親や祖母が作ってくれた美味しいスープを思い出し、レストランで提供し始めたのが世に知られるようになったきっかけだと言われています(諸説あり)。

フランスでは家庭の味として親しまれるポタージュスープ。一般的なヴィシソワーズは、ジャガイモをベースにネギや玉ねぎをポタージュにした冷製スープですが、ヴィシーにはオリジナルレシピのヴィシソワーズを提供しているレストランやカフェが多くあります。

[photos by minacono and shutterstock]

Please do not use the photos without permission.

【参考】

ヴィシー観光局(サイトの右上の国旗マークをクリックすると日本語サイトを選べます)