災害証言取材し一冊に 天瀬町五馬中、全校生徒で製作【大分県】

©有限会社大分合同新聞社

五馬中の全校生徒が、家族や地域住民に取材した過去の災害証言をまとめたファイル

 日田市天瀬町の五馬中学校(石井知由美校長、32人)の全校生徒が、校区内で過去に発生した災害の被災状況をまとめた「災害ファイル」を作った。住民の証言を集め、教訓を語り継ぐことで地域の防災力向上につなげる。

 1学期に校内で実施した避難訓練で、大分大学減災・復興デザイン教育研究センターの防災コーディネーター板井幸則さん(60)が視察したのがきっかけ。「過去の災害を知るとこれからの防災に役立つ」との助言で昨年の夏休み、家族や住民約30人に取材した。

 「田んぼに土砂が流れ込み、橋が流されて学校や買い物に行けなくなった」「地震で塚田温泉の水道管やポンプが水源からずれて温泉が出なくなった」

 西日本水害(1953年)から西日本豪雨(2018年)までの証言が集まった。被害や避難の状況などについて聞き取りし、その位置を一つ一つ地図に落とし込んだ。各災害の概要も盛り込んでいる。

 大分県豪雨(12年)を調べた3年の小野聖奈さん(15)は、水道が止まったり濁ったことを家族から聞いた。小野さん自身も風呂や食事に不便を感じ、小学校まで給水に行った記憶があるという。「ハザードマップのように使えるので作って良かった。危険な場所を把握してほしい」

 ファイルはA4判。約70部を作り、生徒、教職員の他、校区内の自治会に配布した。石井校長は「中学生が防災意識を持ち、記録に残すことは有意義だと思う。他の災害の教訓や当時の様子も調べてファイルを増やし、五馬地区の防災に役立てたい」と話している。