風疹予防接種で子どもを守れ 県医師会・国富担当理事に聞く

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 昨夏から風疹が流行し赤ちゃんへの影響が出たことで、予防接種への関心が高まっている。3月1日からは「子ども予防接種週間」(7日まで)。岡山県医師会の国富泰二感染症担当理事(77)に、4月から始まる国の風疹追加対策の概要や、予防接種の大切さについて聞いた。

 ―今年は風疹の予防接種が特に話題になっている。

 「昨夏から全国で男性の風疹患者約3千人が発生した。埼玉県で、妊娠初期に感染すると赤ちゃんが難聴や心臓病などになる恐れのある先天性風疹症候群(CRS)が1例出たことで関心が高まった。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて外国人訪日客との接触が増えることもあり、国は4月から風疹に対する追加対策の実施を決めた」

 ―追加対策は39~56歳の男性を対象に行われる。

 「風疹のワクチンは現在、男女とも1歳から小学校入学までに2回接種する。だが男児の接種が一般的になったのは1979年生まれの人から。男女とも接種を受けていない57歳以上の人は、自然感染などで約92%が抗体を持ち、男女とも接種するようになった38歳以下の世代もほぼ90%の人に免疫がある。これに対し、女性だけが予防接種を受けた39~56歳の男性は約80%と10ポイント近く低い。昨夏からの風疹患者の多くは30~50歳代の男性だった」

 ―追加対策はどのような形で実施されるのか。

 「市町村が、接種対象の男性にクーポン券付きの通知を送る。券を使うと、職場や自治体の健康診断などで抗体検査を無料で受けられる。そこで免疫力が弱いと判断された人は、無料で接種してもらえる。対象者のところに、実際に通知が届くのは4月以降になる」

 ―注意点は。

 「2019年度に案内があるのは、72年4月2日から79年4月1日の間に生まれた男性。一度に全体を対象にすると、ワクチンが不足するためだ。残りの62年4月2日から72年4月1日までに生まれた男性への通知は20年度に行う予定だが、希望者は19年度に申し出れば、市町村窓口でクーポン券を受け取ることができる」

 ―対象となっている人は予防接種を受けた方がよいのだろうか?

 「予防接種の重要な役割として個人が感染源となって病気が拡散するのを防ぎ、流行を阻止して社会的なリスクを軽減させるという意義がある。子ども予防接種週間を機に、次代を担う子どもを守る大人として考え、きちんと受けてほしい」

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 「子ども予防接種週間」には、趣旨に賛同した岡山県内の医療機関が、通常は休診の時間(土曜日の午後、日曜日など)にも接種を受け付ける。受け付けの時間、電話番号などは県医師会のホームページ(http://www.okayama.med.or.jp)で確認できる。同医師会は「常備していないワクチンもあるため、事前に必ず連絡して」と呼び掛けている。

「予防接種は個人だけでなく、社会的な感染リスクも軽減できる」と話す岡山県医師会の国富理事