懐かしの路面電車駅前へ 50年前まで日光市内を走行

観光施設が無償で譲渡

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市へ無償譲渡する車両と山本さん

 【日光】霧降高原の観光施設「チロリン村」が所有、展示し、約50年前まで市内を走った路面電車「東武鉄道日光軌道線」の車両1両が、市に無償譲渡される。市は2019年度中に東武日光駅前で展示スペースを整備し、受け入れる計画だ。チロリン村の山本雄一郎(やまもとゆういちろう)代表(68)は「車両は日光の財産。昔の思い出として設置したが、いつかは市へ寄贈しようと思っていた」と話している。

 この車両は「東武100形電車」と呼ばれ、旧国鉄日光駅-馬返(いろは坂入り口)間の路面電車として1968年の廃線まで約15年運行した。岡山市の岡山電気軌道に譲渡された後、2013年にチロリン村が引き取って“帰郷”した。

 チロリン村には現役時代の車両に乗車した市民らが次々と訪れ、昔を懐かしんだという。山本さんは「一定の役割を果たした。産業文化遺産として、地域活性化や観光振興に役立ててほしい」として昨秋、市へ譲渡を打診していた。

 市は19年度中に譲渡を受け、東武日光駅前の市有広場に展示スペースを整備。全長約12・3メートル、重さ約14トンの車両を線路に乗せた格好で設置し、イベントなどで定期的に内部を公開する方針だ。施設整備や車両補修として2千万円規模の事業費を見込んでいる。

 山本さんは「日光の玄関口に展示されて、なぜ路面電車がなくなったのか、歴史や意味を理解してもらいたい」と話す。市都市計画課は「注目される施設として観光客にPRし、印象に残る駅前としていきたい」としている。